誰でも簡単にできる!フリーペーパーの作り方

ライフ&ハック
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今回は、フリーペーパーの作り方についてご紹介します。

運営体制やビジネスモデルといった全体像にも触れつつ、進めていきます。

※デザイン〜印刷に関しては、以下の記事で詳しく紹介していますので、そちらもぜひご参照ください。


1. 運営体制

まず、どのような運営体制で進めるのかを検討しましょう。

個人か法人かによって、体制や対応すべき内容は大きく変わります。

たとえば、お金の管理や代表責任者の選定なども、早い段階で決めておくとスムーズです。


2. 組織化

今回は、少人数(1〜10人程度)の体制を前提にご説明します。

フリーペーパーに広告を掲載する場合、売上や収益が発生するため、たとえ個人事業主や小規模な会社であっても、「経理体制」が整っていることが重要です。

経理が不十分だと、個人が何十万円もの収入を一時所得として得ることになり、確定申告や納税の手続きが必要になります。

また、経費の管理や協力者への報酬支払いも発生するため、煩雑な申請業務が伴います。

そのため、可能であれば、税理士や会計を学んでいる知人がいれば、まず相談してみるのが良いでしょう。

本格的に運営する場合は、法務局で法人登記を行い、専用口座を開設することで、収益の管理や精算が非常にスムーズになります。


3. ビジネスモデル

次に、フリーペーパーの「ビジネスモデル」を考えます。

「売上を上げたい」「知名度を広げたい」など、まずは目的を明確にしましょう。

現在、10年前と比べるとフリーペーパーの需要は減少傾向にあります。

大手による寡占化、新規参入の難しさ、広告主の減少、そしてスマートフォンやネット環境の普及が背景にあります。

こうした中でも、なおフリーペーパーを発行したいのであれば、相応の工夫や努力が必要となるでしょう。

ただし、特に若い世代には可能性があります。

たとえば高校生や大学生など、10代の発想には新鮮でユニークなアイデアがあり、それが突破口になることもあります。


基本的なビジネスモデル

  1. 発行者が配布先を確保する

  2. 地域の企業や知人などに広告出稿を依頼し、有料で掲載してもらう

  3. コンテンツと広告を組み合わせてフリーペーパーを制作する

  4. 完成後、決められた配布先に配布する

  5. 読者が広告店舗を訪れたり、商品を購入する

このような流れが、フリーペーパーにおける典型的なビジネスモデルです。


4.配布先の確保

フリーペーパーの配布先の確保は、非常に重要であると同時に、最も難航しやすい工程のひとつです。

まずは、「人の集まる場所」を中心に交渉を進めましょう。

具体的には、地域のスーパー、コンビニ、商店街、駅などが候補となります。

ただし、実際には飛び込みでの交渉は断られるケースが多いため、事前に「配布協力者」を確保しておくのが効果的です。

たとえば、地元で影響力を持つ人物や団体に協力を依頼することで、交渉が格段に進めやすくなります。

高校生の場合であれば、校長先生やPTA、町内会長など、地域に顔が利く方々と連携することで、何十カ所もの配布先をスムーズに確保できる可能性があります。

大学生や社会人であれば、商工会議所や地域企業など、営利活動の一環として支援してくれる組織と連携するのが有効です。

なお、飛び込みでの交渉は、10件程度であれば対応可能ですが、それ以上になると非常に労力がかかります。

無理なく、かつ効率的に進めるためにも、最初から「協力体制」を計画的に整えておくことが成功の鍵となります。

5.チームの人選

フリーペーパー制作においては、チーム編成が非常に重要です。

誰がどの役割を担うのかを、あらかじめ明確にしておくことで、制作工程をスムーズに進めることができます。

まず、フリーペーパー全体の「メインテーマ」を設定し、ターゲットとなる読者の年齢層・性別・嗜好などを踏まえて、どのようなコンテンツを中心に据えるかを検討します。

併せて、広告内容や表現方法についてもアイデアを出し合いましょう。

制作チームは以下のような項目を検討・設計します:

  • 全体のページ構成(何ページにするか)

  • 判型(サイズ)

  • 台割(ページ割り)

  • レイアウトとデザインの方向性

そのうえで、ライターやデザイナーといった役割分担を行い、担当者を決定します。

仮にチームが10人編成であれば、実働メンバーは5〜6人程度が適切でしょう。

また、取材チームを編成し、メインコンテンツに掲載する記事や写真の取材・撮影を行います。

必要に応じて、以下のような専門的な役割も設けましょう:

  • 経理・事務処理担当

  • 外部へのプレスリリース担当

  • Webサイト制作担当(デジタル版の展開や広告連携など)

そして、最後に最も重要なのが**プロジェクト全体のリーダー(責任者)**を任命することです。

配布部数や広告収益など、あらかじめ設定した目標を管理し、各担当者がその目標に向かって行動できるよう導いていく役割を担います。

6.広告掲載

広告主を募ること――これは、フリーペーパー制作において最も困難な作業のひとつです。

特に第1号の制作時は、まだ現物が存在しないため、広告主にとっても「どの程度配布されるのか」「どんな影響力があるのか」が判断できず、協力を得るのが難しい状況です。

仮に協力が得られたとしても、初回はほとんどが“応援の気持ち”として出してくれる会社になるでしょう。

しかし、一度でも発行できれば、実物の完成見本と配布実績を提示できるため、その後の営業活動は格段に進めやすくなります。

たとえば:

市内の駅・コンビニ・スーパーなど、30カ所で計6,000部を配布しました。

このような具体的なデータがあるだけで、次回以降はレストランやカフェなどからも広告を得やすくなります。


タイアップ記事の活用

「〇〇市のおすすめレストラン特集」など、取材を兼ねたタイアップ記事の形式で広告を獲得する方法も一般的です。

「取材 → 掲載 → 広告出稿」という自然な流れをつくることで、広告主も協力しやすくなります。


広告料金の相場感

たとえば、影響力のある中堅企業が発行している地域フリーペーパーでは、

  • A4サイズの半ページ広告:5万円前後

  • 表紙裏や巻頭1〜2ページなどのプレミアム枠:30〜50万円程度

といった価格帯が一般的です。

ただし、媒体のジャンルや地域性によって大きく異なる点には留意が必要です。


“付加価値”による提案

現在は広告予算を持つ企業が減っているため、「紙面+Web紹介」といった付加価値付きの広告提案が効果的です。

特に、ホームページを持っていない飲食店などに対しては:

「紙面で紹介し、同時にネット検索にも対応します。簡単なWebページもセットでご用意します」

といった提案をすることで、「それなら5万円くらいなら…」と前向きになってもらえることもあります。

実際、簡単なWebサイトであっても、外部制作に依頼すれば10万円以上かかるケースは少なくありません。

そのため、フリーペーパー掲載+簡易Web紹介ページというセットは、コストパフォーマンスの高い提案になり得ます。


SNSの活用も視野に

もしチーム内にWebやSNSに詳しいメンバーがいれば、

「紙面の広告内容と同じ内容で、Facebookページも無料で作成しますよ」

というような付加サービスを提案するのも良い手です。

「紙だけで終わらない」ことをアピールすることで、広告出稿のハードルを下げることができます。

7.制作コンテンツ

フリーペーパーの中核をなすメインコンテンツは、読者層に合わせて慎重に選定する必要があります。

構成としては、誌面全体の半分以上、理想的には5分の4程度をメインコンテンツに充てるのが望ましいとされています。

たとえば24ページ構成であれば、広告ページは約5ページ、残り19ページは読み応えのあるコンテンツで構成するのが理想的です。


人気ファッション誌から学ぶ:『LARME(ラルム)』の例

ティーン〜20代向けの女性ファッション誌『LARME(ラルム)』は、かつて隔月刊誌でしたが、現在では月刊化され、若い女性の間で高い人気を誇っています。

その魅力は、以下のような点にあります:

  • 淡いトーンの配色やアンティーク風の写真加工

  • 若手デザイナーや編集者が自由な感性で制作している雰囲気

  • 熟練のプロによる「完成された情報誌」とは異なる、新鮮で共感性の高いビジュアルと表現

つまり、「20代の女性にとって本当に可愛いと感じるもの」は、同じ世代の制作者こそが一番よく知っている、ということです。

このように、“感性”からのアプローチは、フリーペーパー制作でも極めて有効です。


読者との共鳴とファンの獲得

したがって、フリーペーパーもまた、独創性があり、共感を生み出すメインコンテンツを中心に据えることで、多くの固定ファンを生み出すことができます。

配布先が限定される場合でも、

  • 地域密着型の企画

  • 長期的に保存されるような実用性のある内容

を意識することで、読者との接点を深め、リピート率を高めることが可能です。


全国流通を目指す場合は?

一方で、全国展開を目指す場合は、大手フリーペーパー企業でなければ非常に難しいのが現実です。

全国流通を実現するには、以下のようなステップが必要になります:

  • ISBNコードを取得(雑誌扱い)

  • 日販・トーハンといった出版取次を通じた配本体制の構築

  • 流通・在庫管理・返品対応などへの体制づくり

ここまで来ると、「フリーペーパー」という枠を超え、「雑誌」としての事業展開が必要になります。

8.制作と印刷

フリーペーパーの具体的な制作方法や印刷工程については、別ページで詳しく紹介しています。

ここでは概要を簡潔にまとめます。

制作の流れは以下の通りです:

  • 紙やデジタルツールでラフ(下書き)を作成

  • 写真素材を用意

  • Adobe Illustratorなどのソフトを使ってデザインやレイアウトを作成

  • 文章を流し込み、全体を整える

人数が多い場合は、作業を分担することで、1週間程度での完成も可能です。

校正の重要性

制作工程の中でも、校正作業は非常に重要です。

以下の点を何度も確認しましょう:

  • 誤字・脱字はないか

  • 掲載内容に事実誤認がないか

  • 広告の記載情報は正確か

  • デザインに不自然な点がないか

また、年齢や立場の異なる第三者に確認してもらうことで、思わぬミスを防ぐことができます。

広告主にも、掲載前に広告内容の最終確認を依頼することが大切です。

問題がなければ印刷に進み、完成後は10〜50部程度を各広告主に納品しましょう。


9.配布

制作と並行して、フリーペーパーの配布・宣伝準備も進めます。

まずは、活動地域で影響力のあるWebサイト・新聞社・テレビ局などに、発行の案内をメールなどで送付します。

市役所の観光課や地域イベントへの持ち込み・配布も有効です。

駅前での配布

近年は駅周辺での「手配り」は減少傾向にありますが、駅や市から許可が下りれば非常に効果的です。

特に以下のような工夫で配布効率を高めることができます:

  • 清潔感のある服装や制服を着たメンバーが配布する

  • 平日夕方の通勤時間帯を狙う(人通りが多い)

  • 天候やイベント日程を考慮して配布日を選定する

設置協力先との連携

設置をお願いしたスーパーや店舗などには、定期的に巡回して設置数の減り具合を確認し、必要があれば補充します。

また、配布部数をノートやデータで記録しておくことで、次回以降の配布計画や設置場所の選定に役立ちます。


10.完成

初回の発刊が完了したのであれば、それは非常に価値ある実績です。

ぜひ、自信を持って次のステップへ進みましょう。

以降は「5.チームの人選」に立ち返り、必要に応じてメンバーを再編成し、定期的な発行サイクルを構築していきます。

万が一、期待した結果が得られない場合は、どの工程に課題があるかを分析し、外部のマーケターや経営に詳しい人に相談するのも有効です。

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