「ボールペンなんて書ければ同じでは?」
「100円のペンと数万円のペンで仕事の成果が変わるの?」
そう思う方も多いでしょう。確かに、文字を書くという機能だけで見れば安価なボールペンも高級ボールペンも大きな差はありません。しかし、ビジネスの世界では単なる“機能”を超えた価値が存在します。実際に「できるビジネスマン」と呼ばれる人ほど、細部に気を配り、高級ボールペンを使っていることが多いのです。
本記事では、その理由をいくつかの視点から考察してみたいと思います。
人から見られていることを意識している
ビジネスマンは日常的にお客様や取引先の前で書類に記入したり、メモを取ったりする場面があります。その際に使っているペンは、相手の目に必ず入ります。
シワのないシャツや磨かれた靴が第一印象を左右するのと同じように、手に持つペンも「この人は細かい部分まで気を配っているか」を伝えるサインとなります。
つまり、高級ボールペンを持つ人は「ボールペンが高いから仕事ができる」というのではなく、気配りが行き届いている結果としてペンにまで注意が向いているのです。これが「できるビジネスマン」の姿勢そのものだと言えるでしょう。
高級車ディーラーに学ぶ“文具の格”
特に分かりやすいのが高級車ディーラーの営業マンです。
メルセデス・ベンツの営業マン
多くがモンブランのボールペンを使用しています。モンブランはドイツを代表する高級筆記具ブランドで、程よい重量感と滑らかな書き味を誇ります。顧客に契約書へ署名してもらう際に渡しても安心感を与え、ブランドイメージとも調和します。
BMWの営業マン
クロスやパーカーといった歴史ある筆記具メーカーを選ぶ人が多いです。やはり「ブランドの格」に見合ったペンを用意することが当然とされているのです。
マセラティの営業マン
さらに高級なイタリア車メーカー・マセラティのディーラーでは、営業マンが身に着けるシャツの質にまで徹底的にこだわっています。1000万円を超えるクルマを扱うため、服装から小物まで全身で“ブランドにふさわしい姿”を示す必要があるのです。
この姿勢からも分かるように、「最も素晴らしい車を売る人間は、文具ひとつも妥協しない」という価値観が根付いています。
信頼性こそ最大の理由
外見だけでなく、実用性においても高級ボールペンは選ばれる理由があります。
ビジネスマンにとってボールペンは「常に携帯する武器」と同じです。大事な会議でメモを取るとき、重要書類に署名するとき、もしペンがかすれたりインク漏れしたりすれば大きな支障になります。
ここで思い出すのが、米国の警察官や軍人がいまだにリボルバー式拳銃を好む例です。自動拳銃は装弾不良を起こす可能性がありますが、リボルバーは確実に撃てる信頼性があります。ボールペンも同じで、「必ず書ける」安心感が求められるのです。
高級ボールペンは精度の高い金属部品で作られており、壊れにくくインクの安定供給も優れています。2〜3千円程度の有名メーカー製でも、長年使える信頼性があります。
筆者自身、モンブラン「マイスターシュテュック」を5年以上使っていますが、一度もインク詰まりや故障を経験したことがありません。重要な場面で「必ず書ける」ことの価値は、想像以上に大きいのです。
精神的な効果も大きい
さらに見逃せないのは心理的な効果です。
手にするボールペンが上質であると、自分自身の気持ちが引き締まり、「この契約をきちんとまとめよう」「この会議で成果を残そう」と自然と意識が高まります。
いわば高級ボールペンは自分自身のモチベーションを高める小さな投資とも言えます。
高級ボールペンは“できるビジネスマン”の象徴
ここまで見てきたように、高級ボールペンを持つ理由は大きく分けて3つあります。
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人から見られる意識:相手に与える印象を良くするため。
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信頼性の高さ:必ず書けるという安心感。
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自己意識の向上:自分を律する道具として。
数万円する高級モデルでなくても、2〜3千円程度の信頼性のあるブランドを選ぶだけで十分効果があります。パーカー、クロス、ラミー、パイロットの上位モデルなど、選択肢は豊富です。
まとめ
できるビジネスマンは「ペンなんて何でもいい」とは考えません。なぜなら、ボールペンひとつにも自分の姿勢や信頼性が表れるからです。
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取引先やお客様の前で使っても恥ずかしくない
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重要な場面で確実に書ける
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自分自身の気持ちを高めてくれる
これらを満たすのが高級ボールペンです。
「仕事ができる人ほど高級ボールペンを持っている」のは、決して偶然ではなく、細部にまで気を配る習慣の表れなのです。
あなたも明日から、ビジネスバッグに1本の上質なボールペンを忍ばせてみてはいかがでしょうか。それが、できるビジネスマンへの第一歩になるかもしれません。


