- ダージリンティーの歴史と現在
- ダージリン紅茶 全87茶園完全ガイド
- アルバリ Allobari
- アンボック Ambiok
- アリヤ Arya☆
- アボングローブ Avongrove☆
- アンブーティア Ambootia☆
- バダンタム Badamtam☆
- バーネスベッグ Barnesbeg
- バノックバーン Bannockburn
- バラスン Balasun
- チョントン Chon-gtong
- チャモン Chamong
- キャッスルトン Castleton☆☆☆
- ダージー Dhajea
- ドゥーテリア Dooteriah☆
- ディララム Dilram
- エデンベール Edenvale
- ジン Ging
- ジエル Gielle
- グレンバーン Glenburn
- ゴパルダーラ Gopaldhara☆
- グームティ Goomtee☆☆
- ジッダパハール Giddapahar☆
- ギャバリー&ミリクトン Gyabaree&Millikthong
- ハッピーバレー Happy Valley
- ジョガマヤ Jogmaya
- ジュンパナ(アッパー) Jungpana(Upper)☆☆☆
- カレジバレー Kalek Valley
- クマイ Kumai
- リンギア Lingia
- リザヒル Liza Hill☆☆
- ロングビュー Longview
- ロプチュー Lopchu☆
- マーガレッツホープ Margarets Hope☆☆☆
- マリーボン Marybong
- ミム Mim☆☆☆
- ミッションヒル Misshon Hill
- ムーンダコティー Moondakotee
- モハンマジュア Mohan Majhua
- マカイバリ Makaibari☆
- ムロター Mullotar
- マルディラン Mahalderam
- モンティベット Montevio
- ナグリ Nagri☆
- ナグリファーム Nagri Farm
- ノーストゥクバー North Tukvar
- ナルバダマジュア Narbada Majhua
- ヌルボン Nurbong☆
- ナムリン&ナムリンアッパー Namring & Namring Upper☆☆☆
- オークス Oaks☆
- オカイティ Okayti☆☆☆
- オレンジバレー Orange Valley
- パンダム Pandam
- パショク Pashok
- フーリセン Phoobsering
- プーボン Poobong
- プッシンビンPussimbing
- フグリ Phuguri☆☆
- ランガローン Rangaroon
- リントン Rington g
- リシーハット Risheehat☆☆☆
- ロヒニ Rohini☆
- ラングリーラングリオット Runglee Runglit
- ラングムック/シダーズ Rungmook/Cedars
- カンチャンビュー Kanchanview
- サマビョンSamabeong
- セリンボン Selimbong
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- シントン Singtom
- スタインタール Steintal
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- セリンヒル Selim Hill
- シンブリ Singbulli
- シビタール Sivitar
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- ソウレニ Soureni
- シンゲル Singell
- シポイデュラ Sepoydhurah
- シーヨック Seeyok☆☆
- プッタボンPuttabong☆
- タムソン Tamsong
- タルザム Turzum☆☆☆
- ティンダーリア Tindharia
- タルボ Thurbo☆☆☆
- ツクダー Tukdah
- ティースタバレー Teesta Valley
- アッパーファグー Upper Fagu
- ヴァートゥクバー Vah Thukvar
- 基本の手順
- 茶葉の大きさと抽出の目安
- 味の調整ポイント
- 本場英国風で楽しむ場合
ダージリンティーの歴史と現在
お茶はもともと中国で飲まれていたものが、1630年頃にオランダを経由してイギリスに伝わりました。最初は緑茶が中心でしたが、やがて武夷山周辺で作られていた半発酵茶「ボヘア(Bohea)」が人気を集め、さらに完全発酵茶である紅茶が主流となっていきました。
イギリスでは、チョコレートドリンクやペールエールに代わって、紅茶が一日中飲まれる国民的飲料となりました。
国民的な飲み物となったことで、茶の供給を中国に依存するのではなく、植民地での栽培に切り替えようとするのは自然な流れでした。1778年には博物学者ジョゼフ・バンクス卿が、東インド会社のベンガル総督ウォーレン・ヘイスティングスに対し「茶樹と栽培用具を持ち帰り、インドのカルカッタ植物園で栽培してはどうか」と提案しています。
その後、中国でアヘン戦争が勃発したこともあり、イギリスはインドでの茶生産に力を注ぐようになります。やがてロバート・ブルースがアッサム北東部で自生のアッサム種の茶樹を発見し、1839年にはカルカッタとロンドンで同時に茶業会社が誕生しました。これを契機に、アッサム地方からインド北部・南部へと急速に茶園が広がり、ヒマラヤ山脈の麓にあるダージリンにも茶園が開かれるようになりました。
最盛期には180を超える茶園が存在したダージリンですが、閉鎖や合併を経て、現在は87茶園に集約されています。現在、最大規模を誇るのはチャモングループで、アッサムに5園、ダージリンに13園を所有しています。同グループは単に合併による拡大に留まらず、政治不安で閉鎖された茶園を再開させたり、再植林と工場の新設によって雇用を創出するなど、地域社会に貢献しつつ茶園を再生させています。
ヨーロッパ、特にダージリンティーを愛するイギリスやドイツでは、EUの品質基準や残留農薬規制に厳しく対応する必要があります。そのため、多くの茶園がオーガニック農法へ移行しており、EU基準や日本のJAS規格に適合した茶葉が生産されています。アメリカでもUSDAとその傘下のオーガニック認証制度(NOP)に対応する茶園が増えており、国際的な有機認証の動きが加速しています。

ダージリン紅茶 全87茶園完全ガイド
☆はオススメの茶園です。
アルバリ Allobari
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ダージリンの中でもやや小規模で、比較的新しい茶園のひとつとされます。
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標高は中〜高地帯で、紅茶らしい華やかさよりもすっきりとした軽い飲み口の茶葉が多い。
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国際的な知名度は高くないものの、地域市場では根強い評価がある茶園です。
アンボック Ambiok
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「アンボック茶園」はミリク渓谷周辺にある茶園で、標高が高く冷涼な気候。
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芳醇でありながらも渋みの少ない紅茶を産出することで知られています。
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春摘み(ファーストフラッシュ)は特に明るい金色の水色と花のような香りが特徴です。
アリヤ Arya☆
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1855年創設の歴史ある茶園。元々はチベット僧が薬草栽培をしていた土地に開かれたと伝わります。
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「ジュエル・シリーズ」と呼ばれる希少紅茶(ルビー、エメラルド、ダイヤモンドなど)が有名。
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芳醇かつ複雑な香り、フルーティーな甘みがあり、世界的に人気が高いプレミア茶園です。
アボングローブ Avongrove☆
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標高約750〜1700mの広範囲に広がる有機栽培茶園。
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ティースタ川の渓谷に面しており、豊かな自然環境で育まれる。
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バイオダイナミック農法も取り入れており、香り高く柔らかい口当たりの紅茶で知られる。
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特にセカンドフラッシュで力強い香味の紅茶を産出する傾向があります。
アンブーティア Ambootia☆
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ダージリンを代表する有機認証茶園のひとつ。
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標高1000〜2000mの広大な敷地を持ち、環境保全に積極的。
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花のような香りとまろやかな甘みが特徴で、欧州を中心に高い人気。
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「サステナブルな茶園経営」の先駆け的存在です。
バダンタム Badamtam☆
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1858年創設の歴史ある茶園。ダージリンの中でも古参の部類。
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ティースタ川近くの標高700〜1500mに広がり、雨量が多く肥沃な土地。
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ファーストフラッシュは特に繊細で、香気豊かな紅茶を生む。
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伝統的な紅茶作りのスタイルを守り続けている茶園です。
バーネスベッグ Barnesbeg
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標高300〜1200mの比較的低い位置にある茶園。
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そのため茶葉の成長は早く、明るく爽やかな飲み口が特徴。
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有機栽培を進めており、環境配慮型の茶園経営で知られる。
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軽快な香りで日常的に飲みやすいダージリンを提供。
バノックバーン Bannockburn
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1850年代創設の老舗茶園で、ダージリン市街に比較的近い立地。
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名門のひとつとされ、古くから欧州へ輸出されてきた歴史を持つ。
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特にファーストフラッシュの繊細で爽やかな香りは高い評価。
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茶園名はスコットランドの「バノックバーンの戦い」に由来。
バラスン Balasun
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1871年創設。ダージリン南部、バラスン川流域に位置する茶園。
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標高約400〜1375mで、温暖から冷涼まで幅広い気候条件を持つ。
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生産される紅茶は香り高く、やや厚みのある味わい。
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特にセカンドフラッシュは果実味と力強さがあり評価が高い。
チョントン Chon-gtong
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19世紀中頃創設。標高約1,200〜1,800mに広がる茶園。
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ダージリン西部の斜面に位置し、冷涼で霧の多い環境。
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花のような香りとシルキーな口当たりが特徴。
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ファーストフラッシュは軽やかで爽快感があり人気。
チャモン Chamong
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1871年開園。ダージリン最大級の茶園グループ「Chamong Group」の中心的存在。
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標高約1150〜1850m。広大で品質管理が整い、安定した供給力を持つ。
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有機認証を取得しており、持続可能な茶園運営で有名。
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香り高く、柔らかい甘みのある紅茶が特徴。欧州輸出が盛ん。
キャッスルトン Castleton☆☆☆
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1885年創設、ダージリンの中でも「トップ・オブ・トップ」と称される名園。
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標高1000〜1830m。ダージリン中心部近くに位置。
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「マスカテル・フレーバー(マスカットのような甘芳香)」を極めた茶園として知られる。
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特にセカンドフラッシュは世界的に最高級品として取引され、オークションで高値を付ける。
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名実ともにダージリンを代表する茶園。
ダージー Dhajea
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「ダージー」はチベット語で「雷鳴の場所」を意味する。
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19世紀後半に設立された茶園。標高約1,000〜1,700m。
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豊かな自然に囲まれた立地で、有機農法を採用。
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香りは華やかで、ややボディ感のある味わい。
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キャッスルトンの姉妹茶園(系列)としても知られ、品質管理が高水準。
ドゥーテリア Dooteriah☆
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19世紀後半創設。
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ダージリンの西部に位置し、標高約1,000〜1,800m。
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霧が多い冷涼な気候で、繊細な花香を持つファーストフラッシュに定評。
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規模は中程度で、クラシカルなダージリンらしい軽快な味わい。
ディララム Dilram
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比較的小規模な茶園。
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標高は1,200〜1,700m程度で、バランスのよい気候条件。
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華やかな香りと明るい水色が特徴。
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生産量は少なめで、コレクターや専門店で扱われることが多い。
エデンベール Edenvale
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名前のとおり「エデンの谷」に由来する美しい環境にある茶園。
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標高1,000〜1,600m。
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有機栽培を推進しており、環境配慮型。
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透明感ある香気とやや甘みを感じる柔らかな口当たりが特徴。
ジン Ging
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1860年頃創設、ダージリン中心部に近い歴史ある茶園。
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標高約600〜1,800mに広がる。
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豊かなボディ感と厚みのある風味で知られる。
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セカンドフラッシュは果実味が強く、しっかりした味わいを好む人に人気。
ジエル Gielle
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1850年代に設立された老舗茶園。
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標高約1,300〜1,800m。
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「マスカテル香」がよく表れる茶園のひとつで、キャッスルトンと並び高評価を得ることも。
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セカンドフラッシュの芳醇な味わいは特に有名。
グレンバーン Glenburn
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1859年創設の名園。
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英国植民地時代にスコットランド人が開いた茶園で、「グレンバーン=谷の小川」の名を持つ。
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標高約1,200〜1,800mに広がる広大な土地。
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豪華なティーエステート兼リゾートを運営しており、観光客も訪れることで有名。
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生産される茶は繊細で上品、香気が豊か。
ゴパルダーラ Gopaldhara☆
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1955年創設。ダージリンの中でも最も高地にある茶園のひとつ(標高約1,700〜2,100m)。
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極めて冷涼で霧深い環境から、繊細かつミネラル感のある茶が採れる。
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ファーストフラッシュは華やかで透明感があり、セカンドフラッシュは凝縮した果実香をもつ。
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「マウンテン・ピーク」など特別ロットはオークションでも注目される。
グームティ Goomtee☆☆
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1899年創設。標高約950〜1800m。
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キャッスルトン、ジュンパナと並ぶ伝統的名園。
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豊潤な花香とシルクのような口当たり。
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特にセカンドフラッシュはマスカテル香が見事で、国際市場で人気が高い。
ジッダパハール Giddapahar☆
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標高約1,500mの小規模茶園。
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家族経営色が強く、生産量は少なめだが品質が高い。
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ファーストフラッシュは香気が高く、セカンドフラッシュは濃厚で複雑な味わい。
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生産量の少なさから「知る人ぞ知る名園」。
ギャバリー&ミリクトン Gyabaree&Millikthong
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2つの茶園が統合されて運営される。
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標高はおよそ1,200〜1,800m。
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クリアで花のような香りが特徴。
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大規模園ではないが、安定して品質の高い茶を産出。
ハッピーバレー Happy Valley
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1854年創設、ダージリン市街から最も近い歴史的茶園。
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標高約2,100m。観光地としても有名で、訪問できる茶園として人気。
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2008年から大手ブランド「マカイバリ」グループの管理下に入り再生。
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花香と甘みを伴う柔らかい口当たりが特徴。観光とブランド性を兼ね備える茶園。
ジョガマヤ Jogmaya
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小規模茶園。標高約1,200〜1,600m。
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生産量は多くないが、繊細な香気と軽やかな味わい。
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主にインド国内市場や専門輸出に回ることが多く、日本ではあまり見かけない希少園。
ジュンパナ(アッパー) Jungpana(Upper)☆☆☆
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ダージリン南部、険しい斜面に位置する名園。創設は1899年頃。
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標高約1,200〜2,000m、急峻な山道を登らなければ辿り着けない秘境的な茶園。
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「マスカテル香」の表現力においてキャッスルトンと双璧とされる。
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セカンドフラッシュは特に有名で、オークションでも高値を記録。
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「ジュンパナ・アッパー」は上部区画で、より繊細で上質な茶葉を生む。
カレジバレー Kalek Valley
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比較的小規模な茶園。標高は1,000〜1,600mほど。
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ダージリンの西部に位置し、霧と日照がバランスよく交わる環境。
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花香と爽快な渋みを持つクラシカルな味わい。
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生産量は多くなく、流通は限られる。
クマイ Kumai
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ダージリン西部、シンガリラ山系の斜面に広がる茶園。
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標高約1,200〜1,600m。
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比較的温暖な気候で、明るく軽快な紅茶を産出。
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バランス型で飲みやすく、国内消費やブレンドにも利用されることが多い。
リンギア Lingia
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1867年創設の歴史ある茶園。標高約900〜1,800m。
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有機栽培を導入しており、環境配慮型の園としても知られる。
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ファーストフラッシュは華やかでフルーティー、セカンドはコクとマスカテル香を備える。
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少量生産のため入手困難な年もあるが、知名度は高い。
リザヒル Liza Hill☆☆
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「リザヒル」は実はリシハット茶園の姉妹園(分園)として知られる。
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標高約1,500〜1,800mに位置し、冷涼な気候。
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花のように華やかで、甘やかな余韻をもつ高品質茶を産出。
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セカンドフラッシュの品質は特に評価が高く、国際市場で人気。
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名園リシハットに劣らず、単独で「名園格」に数えられる。
ロングビュー Longview
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1879年創設。標高は600〜1,800m。
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比較的標高が低い区画もあり、力強くボディ感のある茶を生む。
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安定供給型の茶園として知られ、国内・輸出どちらも盛ん。
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個性派というよりは「クラシカルで安定感ある味わい」。
ロプチュー Lopchu☆
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1860年代創設の老舗茶園。キャッスルトン茶園の近くに位置。
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標高約1,200〜1,700m。
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伝統的なチャイや英国式紅茶にブレンドされることも多い。
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独特のスモーキー香とコクが特徴で、「ロプチューティー」は根強いファンがいる。
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クラシカルな「昔ながらのダージリン」を味わえる茶園。
マーガレッツホープ Margarets Hope☆☆☆
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1860年代創設、標高約1,000〜1,800m。
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ある園主の娘マーガレットがこの茶園を訪れた後に早逝し、その願いを継いで名づけられた感傷的な逸話で知られる。
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セカンドフラッシュのマスカテル香が特に高名で、キャッスルトンやジュンパナと並び世界的に評価される名園。
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ファーストフラッシュは華やかで爽快、セカンドは芳醇で甘みが強い。
マリーボン Marybong
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1876年創設。標高約1,200〜1,970m。
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「小さな谷」という意味の地名を冠する茶園。
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生産量は限られるが、花のような香りとやわらかい味わいが特徴。
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比較的軽やかで繊細な紅茶を好むファンに人気。
ミム Mim☆☆☆
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1860年代創設。標高約1,200〜2,000m。
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広大で歴史のある茶園だが、2000年代以降は有機農法を推進。
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ファーストフラッシュは非常にフローラルで繊細、セカンドフラッシュは香り高く厚みのある味わい。
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「マーガレッツホープ」と並び、世界的に名の知られた一級茶園。
ミッションヒル Misshon Hill
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ダージリン中心地に比較的近い茶園。
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標高は約1,000〜1,700m。
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軽やかで花のような香気を持つが、クラシカルで安定感のある味わい。
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知名度は高くないが、現地では品質の安定した茶園として認知されている。
ムーンダコティー Moondakotee
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名称は「月の館」を意味する。19世紀末創設。
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標高約1,000〜1,800m。
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華やかでやや甘い香りを持つ茶が特徴。
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生産量は多くなく、マーガレッツホープやミムと比較すると流通量が少ない。
モハンマジュア Mohan Majhua
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小規模茶園。標高約1,200〜1,700m。
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フローラルで爽快なファーストフラッシュに定評。
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知名度は低いが、限られた輸出先では根強い人気。
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生産量が少なく希少性が高い。
マカイバリ Makaibari☆
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1859年創設、世界最古級のダージリン茶園。
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標高約1,500〜1,800m。
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世界初のバイオダイナミック農法を導入し、オーガニック茶園の象徴的存在。
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「森の中の茶園」と呼ばれ、自然と共生する哲学で知られる。
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ファーストフラッシュは極めて香り高く、セカンドフラッシュは芳醇で甘美。
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ダージリンの代名詞ともいえる名園であり、観光・ブランド性も兼ね備える。
ムロター Mullotar
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比較的小規模な茶園。
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標高は1,000〜1,600mほど。
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繊細で軽快なファーストフラッシュに定評。
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生産量は少なく、市場で見かけるのは稀。
マルディラン Mahalderam
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19世紀末創設。
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標高約1,200〜1,800mに位置する中規模茶園。
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花のような香気と爽やかな渋みが特徴。
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有機栽培にも積極的に取り組んでいる園。
モンティベット Montevio
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1856年創設の歴史ある茶園。
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標高約1,000〜1,700m。
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透明感のある香りと、甘みを帯びた軽やかな味わいで知られる。
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欧州市場にも古くから輸出されてきた名のある茶園。
ナグリ Nagri☆
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19世紀中頃創設。標高約1,000〜1,800m。
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歴史ある大規模茶園で、安定した生産量を持つ。
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軽やかで華やかなフレーバーのファーストフラッシュが人気。
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安定供給型のため、輸出市場でよく見かける。
ナグリファーム Nagri Farm
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ナグリの姉妹園(分園)。
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「ファーム」の名の通り、比較的低地から高地にかけて広がる。
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生産茶はナグリよりやや軽快で、飲みやすい。
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単独銘柄として扱われる場合と、ブレンドされる場合がある。
ノーストゥクバー North Tukvar
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19世紀創設。
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標高約1,000〜1,700m。
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「トゥクバー茶園」の中でも北区画にあたり、品質の高さで知られる。
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花香とフルーティーさを併せ持つセカンドフラッシュは国際的に評価が高い。
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かつては英国王室御用達ブランドに供給されたこともある。
ナルバダマジュア Narbada Majhua
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小規模茶園。
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標高1,000〜1,500m。
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軽快で爽やかな紅茶を産出するが、生産量が少なく希少。
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知名度は低いが、地元市場や限定輸出で出回る。
ヌルボン Nurbong☆
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19世紀後半創設。
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標高約1,200〜1,800mに位置する中規模茶園。
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芳醇な香りと柔らかい飲み口。
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生産量が安定しており、欧州市場向けに多く出荷される。
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「隠れた優良園」として専門家から高い評価を得ることもある。
ナムリン&ナムリンアッパー Namring & Namring Upper☆☆☆
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ダージリンで最大規模の茶園のひとつ。
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標高は約900〜1,800m。特に「ナムリンアッパー」は上部区画で、高品質茶を産出。
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歴史は19世紀半ばに遡り、現在は最新設備と管理体制を備える。
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ファーストフラッシュは爽快でフローラル、セカンドフラッシュは濃厚なマスカテル香。
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大規模でありながら品質が高く、世界的に安定供給がある。
オークス Oaks☆
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標高約1,200〜1,700mに位置する中規模茶園。
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花やハーブを思わせる香気と、透明感のある味わい。
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生産量はそれほど多くなく、日本ではあまり流通しない希少園。
オカイティ Okayti☆☆☆
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1870年代創設。標高1,200〜2,000m。
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「ロイヤルティー(王の紅茶)」と呼ばれ、英国王室にも納められた歴史を持つ。
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香気は非常に芳醇で、セカンドフラッシュはマスカテル香が特に顕著。
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世界的に名園とされ、マーガレッツホープやキャッスルトンに匹敵する。
オレンジバレー Orange Valley
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ダージリン中心地から近い歴史ある茶園。
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標高約1,200〜1,800m。
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フルーティーで華やかな香りが特徴。ファーストフラッシュの透明感が特に評価される。
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国際市場でも人気が高く、日本でも比較的入手しやすい名園。
パンダム Pandam
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中小規模の茶園。標高約1,000〜1,600m。
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生産量は少なく、輸出も限られる。
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柔らかく繊細な香りを持ち、希少性が高い。
パショク Pashok
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標高約1,000〜1,600m。
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花香とすっきりした渋みを併せ持つ。
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生産量は安定しているが、名園格というよりも「堅実な茶園」として評価される。
フーリセン Phoobsering
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19世紀創設の古園。ダージリン市街に近い位置にある。
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標高約1,200〜1,800m。
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かつては「ダージリンの代表格」のひとつとされ、伝統的なブレンドにも使用。
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香気が豊かでバランスが良いが、現在は知名度がやや下がっている。
プーボン Poobong
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標高約1,200〜1,800m。
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生産量は少なく、ファーストフラッシュが軽やかでフローラル。
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輸出も限られ、日本市場ではほとんど見かけない。
プッシンビンPussimbing
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ダージリンの西部にある茶園。
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標高は1,200〜1,800m。
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柔らかな口当たりと花のような香り。
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名門クラスではないが、隠れた実力派として評価される。
フグリ Phuguri☆☆
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標高約1,200〜2,000m。
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歴史ある名園で、ファーストフラッシュは非常にフローラル、セカンドフラッシュは濃厚なマスカテル香。
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生産量は比較的少なく、専門店やオークションで高値を付けることもある。
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世界的にも「隠れたトップクラス」とされる茶園。
ランガローン Rangaroon
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1857年創設、ダージリン最古級の茶園のひとつ。
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標高約900〜1,800m。
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生産量は多くないが、伝統的な製法を守る。
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軽やかでフローラルなファーストフラッシュが特徴。
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小規模かつ古参として「隠れた老舗園」。
リントン Rington g
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19世紀創設。標高1,200〜1,800m。
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生産量は中規模で、欧州市場への輸出も行われてきた。
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バランスのよい紅茶を生み、特にセカンドフラッシュは芳香と甘みがある。
リシーハット Risheehat☆☆☆
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「聖者の住む地」という意味。
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標高約980〜2,000m、ダージリン中心部近郊にある有名園。
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歴史は19世紀創設。
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ファーストフラッシュは華やかで透明感に富み、セカンドフラッシュは豊かなマスカテル香。
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姉妹園に「リザヒル」があり、両者とも国際的に高く評価される。
ロヒニ Rohini☆
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ダージリンの中では比較的新しい茶園で、1955年閉園 → 1990年代に再開。
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標高300〜1,500mの広い範囲に位置。
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特に春摘みファーストフラッシュは名高く、極めて香り高い。
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生産量は少ないが希少価値があり、国際市場で人気上昇中。
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「新世代の名園」として注目されている。
ラングリーラングリオット Runglee Runglit
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名前は「もうこれ以上探さなくていい(これが答え)」という意味のチベット語に由来。
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標高約1,200〜1,800m。
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生産される紅茶はエレガントで柔らかい口当たり。
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世界的にもブランド茶園として知られ、単一園銘柄で流通。
ラングムック/シダーズ Rungmook/Cedars
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2つの茶園が統合されて運営。
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標高は約1,200〜1,700m。
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歴史ある茶園で、花香と明るい水色のファーストフラッシュが特徴。
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生産量は比較的安定しているが、国際的には「中堅クラス」。
カンチャンビュー Kanchanview
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比較的小規模な茶園。
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「カンチャンジュンガ(カンチェンジュンガ山)」を望む立地から命名。
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標高約1,200〜1,600m。
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軽やかで飲みやすい紅茶を産出。知名度は高くないが地域性に富む。
サマビョンSamabeong
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標高1,200〜2,000m。
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比較的大規模で、有機農法を取り入れている。
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香り豊かで柔らかい味わいが特徴。
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「森に囲まれた茶園」として自然環境の保全に力を入れる。
セリンボン Selimbong
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別名「シルバンバレー」。
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標高約1,000〜2,000m、霧に覆われた冷涼な立地。
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バイオダイナミック農法を導入している有機茶園。
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ファーストフラッシュは非常に華やかで繊細、セカンドフラッシュは香気と奥行きが強い。
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世界的にも高級ダージリンとして流通し、評価が高い。
スーム Soom
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1860年代創設。
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標高約1,100〜1,600mに広がる中規模茶園。
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「幸福」という意味を持つ。
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ファーストフラッシュは明るく爽快、セカンドはやや果実味があり飲みやすい。
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安定した品質で、ヨーロッパ市場でも人気。
シントン Singtom
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1852年創設、ダージリン最古級の茶園のひとつ。
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標高約1,200〜1,800m。
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歴史的に「キャッスルトン」の姉妹園としても知られる。
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軽やかでクラシカルな紅茶を産出。観光客向けの「ティーリゾート」も有名。
スタインタール Steintal
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1852年創設。ダージリン最古の茶園のひとつ。
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標高約1,200〜1,700m。
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古典的で花の香りのあるファーストフラッシュに定評。
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小規模ながら伝統を重んじる茶園。
サングマ Sungma☆☆
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1860年代創設。標高約1,100〜1,700m。
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大規模な有名茶園で、隣接する「タルボ」と姉妹園。
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セカンドフラッシュは力強いマスカテル香を誇り、オークションでも高評価。
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世界的にも「安定した名園」として必ず名前が挙がる。
セリンヒル Selim Hill
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1870年代創設。
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標高約1,000〜1,500m。
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有機農法を導入し、環境保全に注力している。
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軽やかで透明感のあるファーストフラッシュが人気。
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知名度は中堅クラスだが、環境志向の消費者に支持されている。
シンブリ Singbulli
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1860年代創設。標高1,200〜1,700m。
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広大な敷地を持ち、区画ごとに味わいが異なる多様性を誇る。
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セカンドフラッシュはマスカテル香が強く、国際的評価が非常に高い。
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キャッスルトンやジュンパナと並び称されることもある名園。
シビタール Sivitar
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小規模茶園。標高約1,200〜1,600m。
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花のような香りを持つ繊細な紅茶を産出。
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国際的な知名度は高くないが、品質は優良。
スプリングサイド Springside
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中小規模の茶園。
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標高1,000〜1,500m。
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ファーストフラッシュは爽やかで、春らしい透明感のある香味を持つ。
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輸出は限られ、国内流通も多い。
ソウレニ Soureni
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ダージリン南部にある茶園。
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標高約1,000〜1,400m。
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比較的温暖で、柔らかく甘みを帯びた紅茶を産出。
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知名度は控えめだが、飲みやすさで定評がある。
シンゲル Singell
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1861年創設、ダージリン最古級。
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標高約1,200〜1,800m。
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オーガニック栽培を実施し、環境配慮型の茶園。
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ファーストフラッシュは非常に香り高く、軽快で透明感のある味わい。
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歴史と品質の両方で評価される名園。
シポイデュラ Sepoydhurah
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小規模〜中規模の茶園。
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標高約1,000〜1,600m。
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軽快で花香のある紅茶を産出。
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知名度は高くないが、国内向けやブレンド用として流通する。
シーヨック Seeyok☆☆
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1869年創設。標高約1,100〜1,800m。
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バイオダイナミック農法を導入し、有機茶園として有名。
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ファーストフラッシュは非常に華やかで繊細、セカンドフラッシュは果実味と奥行き。
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世界的にも高く評価され、単一園銘柄で流通する名園。
プッタボンPuttabong☆
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1852年創設、ダージリン最古級かつ最大規模の茶園のひとつ。
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標高約1,000〜2,000m。
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ファーストフラッシュは芳香と透明感に優れ、セカンドフラッシュは濃厚でマスカテル香が際立つ。
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「プッタボン=Tukvar」とも呼ばれ、世界的に名高い。
タムソン Tamsong
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比較的小規模。
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標高は1,200〜1,600m。
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爽快でやわらかな飲み口が特徴。
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知名度は低めだが、地域では良質茶園として認識されている。
タルザム Turzum☆☆☆
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サングマと姉妹園。
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標高1,200〜2,000m。
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ファーストフラッシュは華やかで透明感があり、セカンドフラッシュはマスカテル香と甘みが際立つ。
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世界的にもトップクラスの名園のひとつ。
ティンダーリア Tindharia
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1860年代創設。標高約1,000〜1,600m。
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古くから知られる茶園で、やや強めのボディと香気を持つ。
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特にセカンドフラッシュが高く評価される。
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歴史と伝統を備えた名園。
タルボ Thurbo☆☆☆
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1872年創設。標高約1,200〜1,800m。
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広大で多様な気候区を持ち、味わいのバリエーションが豊富。
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セカンドフラッシュのマスカテル香は世界的に有名。
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サングマと並び「双璧」と称される。
ツクダー Tukdah
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1864年創設。標高1,000〜1,900m。
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長い歴史を持ち、クラシカルなダージリンを生む。
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軽やかで花香に富み、安定した品質。
ティースタバレー Teesta Valley
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19世紀創設。標高約1,000〜1,800m。
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ダージリン東部のティースタ川流域に広がる大規模茶園。
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フルーティーで華やかな紅茶を産出。
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国際市場への輸出も盛ん。
アッパーファグー Upper Fagu
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比較的小規模な茶園。
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標高約1,200〜1,500m。
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爽快で飲みやすい紅茶を産出。
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限定的に輸出されることが多い。
ヴァートゥクバー Vah Thukvar
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Tukvar 系列の一部として運営される茶園。
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標高1,000〜1,700m。
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力強さと花香を兼ね備えたセカンドフラッシュが特徴。
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プッタボン(Tukvar)の姉妹的立場にあたり、古典的ダージリンの系譜にある。

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ダージリンティーの美味しい淹れ方
ダージリンの紅茶は、OPやBOPといった大きめの茶葉(チップ)が多く見られます。
そのため、抽出時間の目安は3〜5分程度です。
慣れないうちは 透明なポット を使うのがおすすめです。お湯を注いだ後に茶葉の開き具合や水色の変化を観察でき、自分の茶葉に合ったベストな抽出を見つけやすくなります。
基本の手順
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透明なポット・陶器のティーポット・カップ&ソーサー・茶こしを熱湯で温める。
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タオルで拭き、透明なポットに茶葉3g(ティースプーン大盛り1杯)を入れる。
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この時に乾燥した茶葉の香りを確かめてみる。
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熱湯150ml(ティーカップ1杯分)を注ぎ、蓋をして3分待つ。(必要に応じてタイマー・ティーコジーを使用)
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茶葉が固く開いていなければ時間を延ばす。濃く出すぎた場合はお湯を増やす。
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時間が来たら茶こしを使い、陶器のティーポットに移し替える(均一な濃さになる)。
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温めておいたティーカップに注ぎ、楽しむ。
ポイント:ティーポットとティーカップをしっかり温めておくことで、入れ替えた後も紅茶が熱いまま保たれます。
茶葉の大きさと抽出の目安
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細かめ … 3g / 150ml / 2分30秒
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やや細かい … 3g / 150ml / 3分
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チップ状でやや大きい … 3g / 200ml / 3分
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大きめ … 3g / 300ml / 3分 または 2g / 150ml / 3分
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非常に大きく薄い色 … 3g / 300ml / 5分
味の調整ポイント
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渋すぎる! → 抽出時間が長すぎる、または茶葉が多すぎ。
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薄すぎる! → 抽出時間を長くするか、茶葉を増やす。
本場英国風で楽しむ場合
「茶葉抜きポット」で均一な濃さを楽しむのが一般的ですが、英国式を好む場合は 陶器のポットに直接茶葉を入れ、そのまま注ぐ方法もあります。渋みや香りを強めに楽しみたい方におすすめです。
購入先・ネットショップリンク
特に、リーフル(ナヴァラサ)、ジークレフ、ルピシア、HOJOがお茶マニアの中では定番の購入先となります!
紅茶・中国茶 TEA MARKET Gclef オンラインストア
世界の紅茶・緑茶専門店 ルピシア – LUPICIA Fresh Tea


