2017年に大人になれる本で「気になるBMW 5年目の車検費用」という記事を投稿しました。つまり今回は、BMW 640iクーペ(F13)が7年目の車検を迎えるわけです。
5年目の車検では予想以上に車検代が安く、6シリーズ(F13 640i)でありながら「22万円」と、国産車と大きく変わらない費用に収まりました。
しかし今回の車検では、巷で噂される100万円近い車検見積もりが来たのです。
正確には、今回ディーラーから出てきた見積もりが約64万円。さらに、すでに摩耗しているタイヤ4本の交換まで加えると、合計で100万円近くになります。
もちろん、毎回の車検で100万円かかるという話ではありません。今回たまたまブレーキ、バッテリー、オイル漏れなどの整備時期が重なり、さらにタイヤまで交換すると高額になる、という内容です。
定期的な交換パーツや消耗部品が原因!
これほど費用がかかる大きな原因は、「ブレーキ関連」と「タイヤ交換」にあります。
こまめに消耗品を交換している人であれば、ある日突然、車検の見積もりが100万円近くになることは少ないと思います。しかし、まだ使えるからと部品交換を先延ばしにしていると、車検のタイミングでさまざまな交換をまとめて提案されます。
例えばブレーキ関連では、前後のローターとパッドを一式交換すると、それだけで30万円近い費用がかかります。ローターは新車から初めての交換で、走行距離を考えても交換時期に来ていました。ブレーキパッドについては、それまでにも何度か交換しています。
インターネットで「BMW ブレーキ交換 費用」などと検索すると、「ブレーキパッド5,000円〜」「ブレーキローター15,000円〜」といった金額が出てくることがあります。中には「BMWはブレーキパッド前後の交換で3万円」と紹介している記事もあります。
確かに、海外から安い部品を取り寄せ、町工場で交換すれば費用を抑えることはできます。しかしBMWは、ブレーキパッドの摩耗をセンサーで検知し、車両側でも交換時期を管理しています。単純にパッドだけを付け替えれば終わり、というわけではありません。
BMWに慣れていない人が価格だけで工場を選ぶより、BMWを多く扱う専門店か正規ディーラーに任せた方が安心だと思います。ただし、その分だけ交換費用は思いのほか高くなります。
意外に高額だったのがバッテリーで、見積もりは約8万7,000円でした。国産車であれば1万〜3万円程度で交換できることも多いため、バッテリーだけでこの金額になるのは驚きます。
BMWはエンジンを切っている間も、セキュリティやさまざまな電子制御が作動しています。640iのような装備の多い車では大容量のバッテリーが使われ、交換後には車両側への登録作業も必要になるため、一般的な国産車より高くなりやすいようです。
特に費用のかかる整備
- タイヤ交換 約30万円
- ブレーキ前後交換 約26万5,000円
- バッテリー交換 約8万7,000円
- オイル漏れ修理 約5万4,000円
これだけでも合計すると70万円を超えます。ここに通常の車検費用や点検費用が加わるため、タイヤまで含めれば100万円近くになる計算です。
ただし、これは故障修理だけで100万円という話ではありません。タイヤやブレーキ、バッテリーは、いずれ交換しなければならない消耗品です。それが車検の時期にまとめて重なったため、高額に見えるという面もあります。
7年目のBMW 640iクーペ(F13)の基本的な車検代
点検・整備費用
- 車両テスト実施 3,564円
- 下回り洗浄 9,504円
- 法定2年点検 32,264円
小計 46,332円
車検諸費用
- 重量税・13年未満(1.5t超〜2.0t以下) 32,800円
- 自賠責保険料(24か月) 25,830円
- 車体検査印紙代 1,200円
- 車体検査代行手数料 16,200円
- 測定検査料一式 16,200円
小計 92,230円
つまり、部品交換をまったく行わなくても、法定点検や車検諸費用などで約14万円かかりました。ここに車検を通すための整備や、今後も安心して乗るための部品交換が加算されます。
なお、上記はあくまで当時の明細です。現在は自賠責保険料、重量税、検査手数料、ディーラーの工賃などが変わっているため、これから同じ車の車検を受けても同じ金額になるとは限りません。
BMWは故障がなくても100万円の見積もりが来ることがある
最低限の点検や諸費用で約14万円。そこからタイヤと前後ブレーキの交換で50万〜60万円、バッテリー交換で約9万円。さらにサスペンションまで一式交換することになれば、20万〜30万円ほどかかる場合があります。
このように、定期交換部品を後回しにしてきたBMWをディーラー車検に出すと、100万円を超える見積もりが出ても、特別おかしいとは言えません。
反対に、普段から少しずつ整備していれば、車検のタイミングで一気に100万円を支払うことにはなりにくいです。「BMWの車検は100万円」と言われることがありますが、実際には車検そのものより、消耗品の交換時期が重なっている場合が多いと思います。
今回も、64万円の見積もりに含まれるすべての整備を一度に行う必要はありませんでした。すぐに必要な項目と、少し先でもよい項目を相談しながら選べば、ひとまず30万円程度に抑えることも可能です。
もちろん、それは完全に費用がなくなるのではなく、交換時期を少し先へずらすだけです。部品が完全に摩耗してしまう前には、あらためて交換する必要があります。
車検費用を抑えて安くする方法
ディーラーですべてメンテナンスしてもらえば安心感がありますが、内容によっては割高に感じる部分もあります。特に差が大きいのはタイヤです。
以前、ミシュランのパイロット・スーパースポーツを4本見積もりしてもらったところ、約35万円と言われたことがありました。しかし、インターネット通販の安いショップでは同じタイヤが18万円程度で販売され、交換作業まで含めても20万円を切る場合がありました。
同じ銘柄・同じサイズのタイヤでも、ディーラーで注文して交換する場合と、タイヤ専門店や通販を利用する場合では、10万円以上の差が出ることがあります。
ただし、インターネットで購入するときは、サイズだけでなく製造時期、ランフラットの有無、荷重指数なども確認する必要があります。安いからといって、よく分からないショップや古い在庫品を選ぶのは避けた方がよいでしょう。
バッテリーも、当時の正規品による交換は約8万円でしたが、BOSCHなどの信頼できる同等品を使えば、部品代を抑えられる場合があります。さらに安い製品もありますが、容量や規格が合っていることが前提です。
BMWの場合は、バッテリーを交換したあとに車両へ交換情報を登録する作業が必要です。単にバッテリー本体を買って載せ替えるだけではないので、その点はBMWに詳しい工場へお願いした方が安心です。
このように、タイヤはタイヤ専門店、消耗品は信頼できる同等品を使うなど、部品や作業によって依頼先を変えれば、10万円単位で車検時の出費を抑えられることがあります。
一方で、極端に安い部品、品質の分からないリビルト品、BMWの整備経験が少ない工場には、それなりのリスクもあります。すべてを最安値にするのではなく、安全に関わる部分と、費用を抑えやすい部分を分けて考えるのがよさそうです。
もし費用を気にせず、安心感や手間の少なさを最優先にするのであれば、すべてディーラーへ任せるのが一番簡単です。しかし、少し手間をかけて部品や依頼先を選べば、同じ車を維持するにもかなり費用を抑えられます。
細かな気になる箇所も……
以前には、640iのソフトクローズドアが故障し、アクチュエーターの交換に10万円近い費用がかかりました。
最近ではパワーウインドウのスイッチにも少し異常があり、オートで閉めようとすると途中で止まってしまうことがあります。走行できなくなるほどの故障ではありませんが、こうした快適装備の修理も一つひとつが高額です。
F13の640iは、7年間乗っても本当に困った故障は数件しかなく、個人的には比較的壊れにくいBMWだと感じています。ただし、故障したときの部品代と工賃は、やはり国産車より高いことがあります。
そのため、車検の年だけ費用を用意するのではなく、普段からBMWのメンテナンス代として少しずつ積み立てておくと安心です。
日頃からオイルやタイヤ、ブレーキなどを確認し、消耗部品を必要な時期に交換していれば、6シリーズであっても毎回100万円の車検になるわけではありません。
今回の見積もりで分かったのは、BMWの車検が突然高くなるというより、これまで先送りしていた消耗品の費用が、一度にまとめてやって来るということでした。


