MOLDEXの各モデルについての体感差はできるだけ残しつつ、NRRの説明、材質、装着方法、睡眠時利用の注意点など、誤解が出やすい部分を整理しました。特に「NRR33dBならそのまま33dB下がる」という理解は正確ではないため、一般向けに自然な表現へ修正しています。
MOLDEXの耳栓8種類を3か月使って比較してみました
自粛期間中、あるいはそうでなくても、隣人や同居人の生活音、道路を走る車の音、工事音などが気になってストレスを感じたことはないでしょうか。現在私が住んでいる物件の隣人は大学生のようで、どうしても生活リズムが夜型になりやすく、夜中に音が発生することがあります。かといって、いきなり苦情を入れて関係が悪くなるのも避けたいですし、疲れているのにぐっすり眠れないというのも困ります。夜だけでなく、日中のテレワークやオンライン講義中に集中を乱されるのも厄介です。
そこで購入したのが、MOLDEXの耳栓が8種類ほど入ったお試しパックです。価格も安く、それぞれ形状や硬さ、遮音性が少しずつ異なるため、自分の耳に合うモデルを探すにはちょうど良いセットでした。今回は3か月弱にわたり、新幹線、バス、地下鉄、睡眠時などさまざまな環境で使ってみたので、装着方法と各モデルの使用感をまとめてみます。
MOLDEX耳栓の基本的な使い方
フォームタイプの耳栓は、そのまま耳へ押し込むのではなく、まず指で細く潰してから装着します。耳栓を指先で転がすように圧縮し、できるだけ細い円柱状にします。その状態で反対側の手を頭の後ろから回し、耳の上側を軽く引っ張りながら耳栓を挿入すると、耳道がまっすぐになり奥まで入りやすくなります。
挿入した後は、耳栓がゆっくり元の大きさへ膨らむまで30秒前後、指で軽く押さえておきます。しっかり装着できると、耳栓の大部分が耳道内に入り、周囲の音が急に遠くなったように感じます。ただし、無理に奥まで押し込みすぎるのは禁物です。痛みや違和感が出る場合は、一度外してサイズや挿入深度を見直した方が良いでしょう。
また、フォーム耳栓は清潔に使うことも重要です。汚れた手で何度も触ったものを長期間使い続けると、耳の中の皮膚を刺激したり、汚れを持ち込む原因になります。使い捨てタイプなので、汚れや劣化を感じたら無理に使い続けず交換する方が安心です。
8種類の違いは何なのか
最初に8種類を並べて見ると、「結局、色が違うだけでは?」と思います。しかし実際に触ってみると、硬さ、表面の滑らかさ、反発力、形状、耳の中で膨らむ速度などが少しずつ違います。サイズについてはメテオスモールを除けば極端な差はありませんが、くびれの有無や先端の太さによって装着感はかなり変わります。
なお、材質についてはMOLDEXの各フォーム耳栓で同じ単純な「アクリルポリマー」と一括りにするより、低反発フォーム素材として理解した方がよいでしょう。PVC特有の強い臭いは少なく、どれも比較的使いやすいです。カラーリングは単色とマーブル模様に大きく分かれ、見た目だけでもかなり個性があります。
表面の気泡についてもモデルごとの差がありますが、「気泡が細かいほど遮音性が高い」「粗いほど遮音性が低い」といった単純な関係ではありません。遮音性能は素材の硬さ、耳道への密着性、形状、装着状態など複数の要素で決まります。実際、表面がやや粗いカモプラグが体感上かなり高い遮音性を示したのが面白いところでした。
NRRとは?
各モデルには「NRR30dB」「NRR33dB」などと表示されています。NRRはNoise Reduction Ratingの略で、米国で使われる聴覚保護具の遮音性能指標です。ただし「NRR33dBなら周囲の音がそのまま33dB静かになる」という意味ではありません。実際の遮音量は装着方法、耳の形、音の周波数などによって大きく変わります。
特にフォーム耳栓は、正しく装着できているかどうかで性能差が非常に大きくなります。同じNRR33dBの製品でも、浅く入っていればかなり音が漏れますし、きちんと密着すれば驚くほど静かになります。そのため数字だけで順位を決めるより、自分の耳に合うかどうかを試した方が実用上は重要です。
メローズ(Mellows)
遮音値:NRR30dB
カラーリングは単色のオレンジです。比較的柔らかく、反発力もそこそこありますが、個人的にはサイズと形状があまり耳に合わず、睡眠中に外れてしまうことが何度かありました。遮音性も悪くはありませんが、8種類の中では突出した特徴を感じにくく、良くも悪くも標準的な印象です。
柔らかさはあるので、強く圧迫される耳栓が苦手な人には合う可能性があります。ただ、自分の場合は「これでなければ」という理由はあまり見つかりませんでした。先端からリム部までは約2.7cm、リム部の直径は約1.5cmです。
メテオ(Meteors)
遮音値:NRR33dB
単色のライムグリーンで、形状がかなり特徴的です。中央部分にくびれがあり、先端から太くなった後に一度細くなり、最後にリムが広がります。この形のおかげか、耳道の中で収まりがよく、長時間使用しても圧迫感が比較的少なく感じました。
素材は比較的柔らかいのですが、ソフティーなどより少し反発力があります。個人的にはこの「柔らかすぎず硬すぎない」感じがちょうど良く、長時間の移動や作業時にはかなり使いやすかったです。リム部分も指でつまみやすく、取り外しやすいところも好印象です。
遮音性も十分高く、快適性とのバランスではかなり優秀です。先端からリム部まで約2.6cm、中央の膨らんだ部分は約1.2cm、リム部の直径は約1.7cmです。
メテオ スモール(Meteors SMALL)
遮音値:NRR28dB
通常のメテオより一回り小さく、ライムグリーンをベースにエメラルド系のマーブル模様が入っています。形状はメテオと同じく中央にくびれがあり、8種類の中では明らかに小ぶりです。
小さい分、遮音性は通常のメテオよりやや穏やかですが、その代わり長時間装着しても耳が痛くなりにくいです。耳道が小さい人、一般的なフォーム耳栓だと圧迫感が強い人にはかなり向いていると思います。
睡眠時にも使いやすく、自分の場合は道路の走行音や工事音をかなり抑えながら、目覚ましやインターホンなど一部の音は聞き取りやすく感じました。ただし、これは耳栓が「必要な音だけ選んで通している」わけではありません。低音・高音で減衰のされ方が違うことや、目覚ましなどの音量が十分大きいことで結果的に聞こえているだけなので、重要な警報音を必ず聞き取れると考えない方がよいでしょう。
先端からリム部まで約2.4cm、中央の太い部分は約0.95cm、リム部は約1.5cmです。
ゴーイングリーン(GOIN’ GREEN)
遮音値:NRR33dB
蛍光イエローをベースに蛍光グリーンが混ざったマーブル模様です。8種類の中ではやや硬めで、カモプラグほどではありませんが耳の中で押し返してくる力を感じます。
遮音性は十分ですが、装着感については他に好みのモデルがあったため、個人的にはあまり出番がありませんでした。リム付近の表面加工も少し粗く、個体によっては気泡や成形跡が目立ちます。性能上の問題は感じませんでしたが、見た目の仕上がりは他モデルより少し荒く見えました。
先端からリム部まで約2.8cm、リム部の直径は約1.4cmです。
スパークプラグ(SPARKPLUGS)
遮音値:NRR33dB
8種類の中でもかなり柔らかく、表面もきめ細かく滑らかです。指で潰した時の抵抗が少なく、ゆっくり膨らむため装着しやすいモデルです。
カラーリングも派手で、ピンクやグリーン、イエロー、ホワイトなどが混ざった蛍光系マーブルになっています。見た目はかなり賑やかですが、使用感は非常に穏やかです。柔らかいので耳の中で圧迫されにくく、それでいて遮音性も高いため、万人向けに近い印象があります。
長さは約2.8cm、リム部の直径は約1.5cmです。
ソフティー(Softies)
遮音値:NRR33dB
名前の通りかなり柔らかい耳栓で、スパークプラグに次ぐ柔らかさに感じました。潰してから元の形に戻るまでの時間も比較的長く、装着時に焦らなくてよいのが利点です。
素材の密度も軽く感じられ、長時間装着しても耳の内部が痛くなりにくいです。遮音性能は8種類の中では標準的ですが、快適性を優先したい人にはかなり使いやすいと思います。カラーはホワイトをベースに蛍光オレンジのマーブルです。
先端からリム部まで約2.7cm、リム部の直径は約1.5cmです。
ピューラフィット(PURA-FIT)
遮音値:NRR33dB
スパークプラグ、ソフティーに次いで柔らかく感じたモデルです。単色ライムグリーンで、表面はかなり滑らか。耳の中へ入れた時の違和感が少なく、遮音性も非常に高いです。
個人的にはカモプラグに次ぐ遮音性能を感じましたが、カモプラグより柔らかいため、快適性ではこちらが上です。「とにかく静かにしたいけれど、硬い耳栓は苦手」という人には一番バランスが良いかもしれません。
先端からリム部まで約2.7cm、リム部の直径は約1.4cmです。
カモプラグ(CAMOPLUGS)
遮音値:NRR33dB
カーキ系の迷彩柄で、名前通りのデザインです。彩度が低いので、派手な蛍光カラーが多いMOLDEXの中では比較的目立ちにくいと思います。
表面の気泡はやや粗く、他モデルより硬質な感触があります。しかし遮音性はかなり強烈です。個人的な体感では8種類の中で最も静かになり、ラップトップのキーボードを打つ音さえかなり遠く感じました。
ただし、硬さがある分、長時間使用すると人によっては圧迫感が出る可能性があります。自分の場合は痛みまではありませんでしたが、快適性より遮音性を優先するモデルという印象です。とにかく音を減らしたいなら、まず試してみる価値があります。
先端からリム部まで約3.0cmと8種類の中では最も長く、リム部の直径は約1.5cmです。
MOLDEX耳栓8種を使った総評
8種類とも想像していた以上に性能が良く、セットで数百円程度という価格を考えるとかなり満足度が高いです。100円ショップの耳栓を何となく選ぶより、一度こうしたお試しセットで自分の耳に合う硬さや形を確認した方が良いと思います。
個人的な順位では、遮音性重視ならカモプラグ、バランスならピューラフィット、長時間使用ならメテオ、柔らかさならスパークプラグです。ただし耳道の形や大きさは人によってかなり違うため、同じNRR33dBでも実際の遮音感は大きく変わります。最初から一種類を大量購入するより、このセットで一通り試してから気に入ったモデルをまとめ買いするのが合理的です。
また、長時間騒音環境にいた後に耳栓を外すと、周囲の音や音楽が妙に鮮明に感じられることがあります。これは「耳の解像度が上がった」というより、しばらく静かな環境にいたことで聴覚の感覚が変化し、普段より音を強く意識するためと考えた方が自然でしょう。耳を休ませるという意味でも、騒音環境で適切に耳栓を使うことには価値があります。
付属ケースは1ペア分しか入らないため、複数種類を持ち歩くなら仕切り付きの小型ケースや薬ケースなどに分けて保管すると便利です。種類ごとに分けておけば、睡眠用、移動用、集中作業用と使い分けることもできます。
昨今の生活環境を考えると、残念ながら今後も耳栓のお世話になる場面はありそうです。ちなみに猫を飼っている家庭では、小さなフォーム耳栓を玩具のように扱ったり、誤飲したりする危険があるため、必ず猫の手が届かない場所へ保管した方が良いでしょう。静かな生活を手に入れるために買った耳栓で、別の騒動を起こしては元も子もありません。