日経先物がマイナス2400円の大荒れ?トレンド転換時には何をすればいいのか

投資・マーケット
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ここ数ヶ月、世界の株式市場は非常に順調に推移してきました。米国ではS&P500やNASDAQが史上最高値を更新する勢いで上昇し、ゴールドやビットコインなどのリスク資産までもが揃って右肩上がりの相場を形成していました。

いわゆる「何を買っても上がる」状態で、楽観ムードが市場を支配していたと言ってよいと思います。しかし、その空気が一瞬で変わったのが先週金曜日の夜です。

出典元:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2025-10-10/T3XMD5GOT0JM00?srnd=cojp-v2

トランプ大統領が突如として中国への関税を大幅に引き上げる可能性を示唆し、「習近平氏と会談する理由はない」とSNS上で発言しました。この一言が市場に与えた衝撃は非常に大きく、米国の主要株価指数はそろって急落しました。

S&P500は前日比マイナス2.7%、NASDAQは3.6%を超える下げとなり、久しぶりに明確な「リスクオフ相場」が訪れました。同時にドルも売られ、円は急騰。為替市場では一時1ドル=151円台まで円高が進行しました。

ビットコインなどの暗号資産も同様に大きく売られ、相場全体が“リスク回避”の方向に一気に傾いた格好です。


週明けの日本市場は大荒れか

この流れを受けて、週明けの火曜日(日本の祝日明け)は日本市場もかなり荒れる可能性が高いです。

すでに先物市場では日経平均がマイナス3000円近い水準まで下落しており、投資家心理は相当に冷え込んでいます。しかも今回は、海外要因だけではありません。国内では自民党と公明党の連立が解消されるという政治的な影響もあるようです。

この「政治リスク」と「米中摩擦再燃リスク」が同時に浮上したことで、週明けは想定以上にボラティリティ(値動きの激しさ)が高まる展開になるでしょう。


ここからの相場は「トレンド転換」の可能性が高い

これまでの上昇相場は、ある意味で「楽観」と「過剰流動性」に支えられていた側面が強いものでした。株も仮想通貨も金も上がる――それは同時に、「どこに資金を置いても安心」という錯覚を生んでいたとも言えます。

しかし今回の急落は、その楽観ムードにひとつの“終わり”を告げた可能性があります。つまり、上昇トレンドから下落トレンドへの転換、いわゆる「トレンド転換期」に入った可能性があるということです。

ここで重要なのは、「まだ下げの初動に過ぎないのか、それとも一時的な調整なのか」を見極めることです。


投資家が取るべき2つの選択肢

このような局面では、基本的に2つの選択肢しかありません。

① 一部の資産を売却して現金化する

② ホールドを続けて耐える

この2つをどう選ぶかで、その後のパフォーマンスが大きく変わってきます。


① 一部を売って守る

まず最初の方法は、「いったん守りに入る」選択です。

トレンドが明確に転換し、下落が長引くと感じた場合には、火曜日の寄り付きやリバウンド局面でポートフォリオの一部を現金化するのが有効です。

たとえば、資産の20〜30%を現金に戻すだけでもリスクは大きく下がります。

完全に売り払う必要はありませんが、部分的にキャッシュを増やすことで、次の下落局面でも「余力を持って動ける」状態を作ることができます。

もし相場がさらに10%、20%、あるいは30%以上下がるような展開になれば、その現金が次のチャンスを掴む“弾”になります。

反対に、もしトランプ氏が方針を撤回し、相場が持ち直したとしても、手放した分の利益を取り逃すだけで済みます。

すべてを売るよりは精神的にもリスクが少なく、柔軟に対応できる方法です。


② ホールドして耐える

もう一つの方法は、「ホールドを続ける」選択です。

これは長期投資家にとっては王道のスタンスとも言えます。

なぜなら、株式市場は過去100年以上の歴史の中で、どんな危機を迎えても最終的には回復してきたからです。

ただし、ホールドする場合は「時間」と「覚悟」が必要です。

下げ相場は短くても1〜2週間、長ければ1ヶ月以上続くことがあります。

その間に、資産が一時的に10%以上減る可能性もあります。

ニュースも悲観的なものが増え、「もう上がらないのでは」と感じるような局面もあるでしょう。

しかし、そうした“誰も買いたくない”タイミングこそが本当の底になることも多いのです。

過去を振り返ると、2020年のコロナショックや2022年のウクライナ危機でも、数ヶ月で株価は大きく戻しました。

今回も「どこかで底打ちし、再び回復する」可能性は十分にあります。

そのため、長期的な視点で市場を信じるなら、ホールドという選択肢も立派な戦略のひとつです。


どちらの選択にも「正解」はない

相場というのは常に“確率”の世界です。いま市場が急落しているからといって、それが必ず長期的な暴落につながるとは限りません。

逆に、「一時的な下げだろう」と思って放置した結果、想定以上の下落に巻き込まれることもあります。つまり、どちらを選ぶかは「自分がどれだけリスクを取れるか」「どのくらいの時間軸で投資しているか」で変わります。

たとえば、短期トレード中心の人であれば、早めに逃げて次のエントリーを待つのが合理的です。一方で、長期投資で10年・20年のスパンで運用している人なら、一時的な下げを気にする必要はありません。

大切なのは、自分の中で“損してもいい範囲”を明確に決めておくことです。そして、相場がどちらに転んでも「想定の範囲内」で動けるようにしておくことです。

感情で動くのではなく、シナリオを事前に描いておくことが何より重要になります。

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