友人と池ノ上駅からすぐ近くのフレンチビストロに行ってみました。当日に友人が「なんとなく気になる」と言ったのがきっかけです。
店内はかなり人気があるようで、予約をしている方も多く見かけました。ただ、早い時間帯に訪れたおかげで、偶然にも席に案内してもらえました。確実に入りたい方は、予約をしておくのがおすすめです。
メニューとコース
メニュー構成が少し独特で、スープや炊き込みご飯、タパスなどが並び、一般的なレストランとはひと味違います。
私たちは、最上位コースのひとつ下、タパスなしのコースを選びました。内容は、サラダ・スープ・メインのお肉料理・パン・デザート、そしてノンアルコールのドリンクが付きます。
せっかく雰囲気が良かったので、国産ワインとブルゴーニュワインもグラスで注文してみました。
提供までの時間
雰囲気は抜群なのですが、料理の提供にはやや時間がかかります。店内には私たちのほかに一組しかいませんでしたが、サラダとスープが出てくるまで20分以上。
私たちは特に急いでいなかったので問題ありませんでしたが、「ランチのあと買い物に行きたい」など予定がある方は、全体で1〜1時間半ほどかかるつもりで訪れるのが良いと思います。

サラダとスープ
サラダは写真ではシンプルに見えますが、表面にはトリュフソルトが振られ、中にはフェンネルのフレッシュハーブ、底にはクミンを効かせたキャロットラペ。
香りの層が非常に豊かで、オリーブオイルや柑橘の風味もあり、見た目以上に完成度の高い一皿でした。
続くスープは、写真の印象どおり、濃厚でおいしいものの特別な個性は控えめ。一般的なビストロのスープと大きくは変わらない印象です。

メイン料理
私は鶏のブルゴーニュ風を注文しましたが、これは本当に美味でした。
お肉は低温調理で驚くほど柔らかく、ソースも上品。ブルゴーニュ地方を旅した際にはこのような料理はあまり見かけませんでしたが、「ありそうだな」と思える程度の創作的なアレンジです。

友人の鴨肉も焼き加減は完璧。ただし、どこかスペイン風のスパイス使いで、クラシックなフレンチソースを想像していると少し意外に感じるかもしれません。

カジュアルなバルのような一皿として楽しむのが良いと思います。
パンとワイン
自家製のパンは好みが分かれそうです。

友人は「具材が豊富で楽しい」と絶賛していましたが、私は少し水分が多くもちもちしすぎる印象で、もう少しドライなタイプが好みでした。
ワインのセレクションは素晴らしく、国産ナチュール系とACブルゴーニュをグラスで飲めるのはありがたい点です。

最近のワイン価格の高騰を考えると、この内容でグラス提供してくれるだけでも満足度は高いです。
総評
全体的に料理の完成度は高く、おいしくいただきました。ただ、「ミシュラン店出身のシェフ」といった宣伝文句から想像するようなクラシカルなフレンチを期待すると、少し肩透かしを感じるかもしれません。
実際は、イタリアン・スペイン料理・フレンチを融合させた“地中海テイストの創作料理”として楽しむのがベストです。
2人でコース料理とワイン1杯ずつで8,000円。最近の原材料や人件費の高騰を考えれば妥当ですが、正直、1万円前後出すとクラシックなフレンチも選択肢に入ってくる価格帯なので、競争的にはやや厳しい印象もあります。
とはいえ、味や構成にはしっかり個性があり、この方向性が好きな人には間違いなく響くと思います。
「地中海料理を楽しむ」という気持ちで訪れると、最も満足できるお店だと感じました。気になる方はぜひ訪れてみてください。
店舗情報
ビストロ トネリコ(Bistro Tonerico)
池ノ上駅から徒歩3分
世田谷区代沢2-7-9
TEL:03-6453-2579
営業時間
ランチ 11:30〜15:00(14:30 L.O)
ディナー 18:00〜23:00(21:00 L.O)
※土日祝は17:30〜23:00
定休日:月曜(※月曜が祝日の場合は翌火曜休)
特徴
ミシュラン店で修業を積んだシェフによる、フレンチをベースにした創作地中海料理。
契約農家から届く季節の野菜をふんだんに使用。
クラフトビール「BREWDOG」や自然派ワインも楽しめます。


