【1日目レビュー】ミシュラン Pilot Sport 5(PS5)をBMW M3(F80)に装着してみて感じたこと

クルマ
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今回は、新しく装着したミシュラン Pilot Sport 5(PS5)の1日目レビューを簡単にまとめます。

ご存じのとおり、新品タイヤは最初の50kmほどは“慣らし”が必要で、表面の薄い皮膜が剥けきるまでは本来の性能を発揮しません。

したがって、まだ1日・数十キロしか走っていませんが、交換直後の「感覚の差」が一番鮮明に分かるタイミングでもあるため、この初期レビューを書いておきたいと思います。


街中で10km/hでも違いが分かるグリップ感

交換してまず驚いたのが、わずか時速10km程度でもタイヤの違いが明確に分かるということです。

ほんの街中の細い道、10〜20km/h程度の加速でも、リアの接地感が急激に増して、車が地面に“吸い付く”ような感覚があります。

発進時のエネルギーが無駄なく伝わり、ほんの数メートル進んだだけで「おお、違う」と分かるほどのグリップ

ねっとりとした粘着性を感じるような独特のトラクションで、宙を浮かずに路面を“掴んで離さない”感覚が非常に印象的でした。


60km/hまでの安定感とハンドリング

その後、60km/h程度まで速度を上げてみましたが、やはり安定感は抜群。

ハンドルを切ったときのステアリング応答性が非常にシャープで、思った方向に“スパッ”と車が向きを変えます。

「これが最新のPilot Sportか」と思わず唸る出来です。


過去モデルとの比較(PSS → PS4S → PS5)

Pilot Super Sport(PSS)時代

私は2016〜2017年ごろ、Pilot Super Sport(PSS)を愛用していました。

PSSは“ゴリゴリに削るようなハイグリップ”で、まるで硬い消しゴムを擦りながら曲がっていくような感覚がありました。

非常にダイレクトで、削ってでも曲がる――そんなストイックなスポーツ性能が印象的でした。

Pilot Sport 4S(PS4S)への移行

その後PS4Sに切り替えたとき、乗り心地は一気にマイルドに。

“削って曲がる”感じが薄れ、フワッとした優しさが加わりました。

日常使いしやすく、上質なバランス型スポーツタイヤという印象です。

そして最新PS5

今回のPS5は、PS4Sよりさらに進化しています。

乗り心地は“フワフワ”というより、ねっとりと路面をつかむ新感覚

スライムのように粘るのに、しっかりとしたフィードバックもある――まさに新世代の感触です。

硬すぎず、柔らかすぎず。

それでいてステアリングからの情報量は豊富で、「路面を感じ取れるのに不快じゃない」という絶妙なバランスが取られています。


乗り心地とノイズ

よく「PS5は乗り心地が良い」と評判を聞きますが、実際に走るとかなりストイックな一面もあります

ロードノイズもそれなりに入り、路面のギャップや小さな段差もきちんと伝わってきます。決して「静かでフワフワ」というタイプではなく、むしろ情報量が多くてスポーティー

M3のように防音材が少なく、剛性の高いシャシーに履かせると、「昔の国産スポーツカー」や「カート」に近いくらいのストイックさを感じます。

個人的にはこの“生のフィードバック感”が大好きですが、パートナーとの日常生活や長距離移動では少し気を使う乗り味でもあります。


車との相性について

M3のようなストイックなスポーツセダンに履かせると、タイヤも車もお互いのストイックさを増幅し合います。

一方で、ボディ剛性が高く遮音性のある車(例:BMW 6シリーズF13、メルセデスSクラスなど)では、このPS5の持つ“粘るようなグリップ”が快適さとバランスよく融合すると思います。

要するに、ボディ側が静粛性を担保してくれる車ほどPS5の真価が発揮される、という印象です。


まとめ(1日目時点)

項目

印象

初期グリップ

驚くほど良い。10km/hでも違いが分かる

ハンドリング

シャープで正確。切った方向に素直に反応

乗り心地

フワフワ+粘りのある新感覚。ただし情報量は多め

ロードノイズ

やや多め。静粛性よりもスポーツ性能重視

総評

「しなやかに粘る新世代スポーツタイヤ」

まだ慣らし段階ではありますが、“PS5は確かに進化した”と感じます。

PSS時代のストイックさと、PS4Sの優しさを絶妙に融合したような仕上がり。

これから距離を重ねてどう変化していくのか、非常に楽しみです。

後日、慣らし後(100〜200km走行後)の詳細レビューも書いてみたいと思います。

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