2021年から追い続けてきた、待ちに待った映画化
昨日は公開したばかりの映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』を見てきました。
実は私は2021年頃からちいかわを追いかけていて、グッズなども少しずつ集めています。「人魚の島編」は、もともとナガノ先生がTwitterで連載していた長編エピソードで、後の映画化も見据えながら構成されていたとして知られています。
テレビアニメになる前から原作を読んでいたのですが、最初にアニメ化された時は、その雰囲気に本当にびっくりしました。
この1~2年ほどはハチワレ役の声優さんが成長によって声変わりしたこともあり、「少し気になる」という人もいれば、「一緒に成長している感じがして、それも作品の歴史の一部みたいで面白い」という人もいて、声についてもいろいろな話題がありました。
長編映画として本当に成立するのかという不安
私もテレビアニメ版はかなり見ていて、何度も繰り返し見ている話もたくさんあります。
その一方で、今回映画版を見るにあたっては、すごく楽しみだった反面、少しだけ緊張というか、不安な部分もありました。
テレビアニメ版のちいかわは朝の短い時間に放送される数分間のショートアニメです。
オープニングが始まり、本編があっという間に終わり、次回へ続くという、とてもテンポの良い作品です。
そのテンポに慣れすぎた人が、この長編映画に違和感なく入り込めるのか。展開が遅すぎて退屈になってしまわないか、逆に詰め込みすぎてしまわないか、絵のタッチや音楽が変わりすぎて別作品のようになってしまわないか、そんなことを少し心配していました。
実際に見ると、その不安は最初の数分で、すべて良い意味で裏切られました。
テレビ版よりも少し柔らかく、ふんわりとしたタッチの映像になっているのですが、それが巨大なスクリーンでもまったく物足りなさを感じさせません。シンプルな絵柄なのに奥行きや立体感があり、キャラクターの動きも非常に自然で、「この絵でここまで映画として成立するのか」と最初の数分で驚かされました。
また、ちいかわたちが船で島へ向かうシーンでは、波の音や船のエンジン音、カモメの鳴き声など、環境音へのこだわりが非常に細かく、映画館で聴くと本当に船に乗っているような感覚になります。音響面への力の入れ方も想像以上で、最初の数分だけでも映画館で見る価値があるなと思えるほどでした。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) March 23, 2023
原作ファンほど感動できる、驚くほど忠実な映画化
ちいかわが船の上で勉強するシーンや、島へ到着して住民たちから歓迎を受け、ダンスをしたり着替えたり、船酔いで体調を崩したり、屋台でいろいろな食べ物を食べたり、そこへモモンガが登場したりと、見れば見るほど感動したのは、とにかく原作への忠実さです。
漫画原作の映画というのは、どうしてもオリジナル展開が増えてしまったり、「これは別作品では?」と思うくらい改変されてしまうことも珍しくありません。しかし、この『ちいかわ 人魚の島のひみつ』に関しては、本当に原作を大切にしていて、原作と原作の間を埋める描写がとても自然なんです。
そのため、当時Twitterで連載をリアルタイムで読んでいた人ほど、「頭の中で想像していた世界が、そのまま最高品質のアニメになった」という感覚になります。美しい映像、美しい音楽、声優さんの演技、そして映画館ならではの音響が一体となっていて、自分が思い描いていた完成形を、さらに超えてきたような完成度でした。
正直、「ちいかわ」という人気コンテンツを使えば、多少粗さがあっても高評価されてしまう作品になるのかな、と少し思っていました。人気店のお祭りの屋台なら、多少味が落ちても「美味しかったね」と評価されてしまうような、そういう甘さがあるのかなとも考えていました。
しかし実際は全く逆でした。私はかなり細かいところまで見てしまうタイプで、映像も演出も音も、少しでも気になるところがあると引っかかってしまう人間なのですが、それでも100点満点、いや100点以上だと思える完成度でした。
そして特に感動したのが、映画オリジナルの追加演出です。
本編にはなかった、「うさぎのダンス」や「ラップのシーン」など、本当に自然に作品へ溶け込んでいました。どこか『ちびまる子ちゃん』の妄想シチュエーションように、頭の中にある空想や抽象的なイメージを映像として表現しているような演出で、その映像と音楽の組み合わせが本当に癖になります。東南アジアや南国のリゾートを思わせるような空気感もあり、リズム感も素晴らしく、「あのシーンだけでも何回も見返したい」と思えるくらい完成度が高く、原作にはない部分なのに、むしろ映画全体の魅力をさらに引き上げていました。
— ちいかわ💫アニメ火金 (@ngnchiikawa) June 15, 2023
最後まで原作を貫いたことに感動した
そしてもう一つ印象的だったのが、セイレーンが登場するシーンです。原作では漫画だからこそ表現できる不気味さがありましたが、映画ではそこへ音響や劇伴が加わることで、不気味さと美しさが見事に融合していました。美しいハーモニーの中にどこか恐怖や暗さがあり、「ナガノ先生の頭の中には、こういう音が鳴っていたのかもしれない」と思わせてくれるような完成度でした。
後半はネタバレになってしまうので詳しくは触れませんが、最後の最後まで原作を尊重していたことにも本当に驚きました。
もし私が映画を作る立場だったら、子ども向けだからとか、万人向けだからという理由で、最後の展開を少し変えてしまいたくなると思います。普通の映画会社やスポンサーだったら、「こちらの方が分かりやすい」と改変してしまう可能性も十分あると思います。
しかし、この作品はそうしたことを一切せず、最後まで原作を信じて、その世界観をそのまま映画として完成させました。それでいて映画としても成立していて、しかも完成度は100点以上。本当に驚きました。
私は長編アニメ映画でここまで高い評価を付けることはあまりありません。
この作品はシンプルな絵柄でありながら、ライティングやブラーなどの映像効果も非常に自然で、過剰な装飾はないのにしっかり迫力があり、映像・音響・演出・テンポ、そのすべてのバランスが本当に素晴らしかったです。
私の中では近年見たアニメ映画の中でも間違いなく最高傑作の一本でした。

グッズも映画の余韻も最高でした
最後にグッズですが、映画館ではグッズ売り場にかなり長い行列ができていて、その人気ぶりに驚きました。
意味深なパナソニックの単三電池や、クリアファイル、セイレーンのぬいぐるみなどが販売されていて、本当に大盛況でした。
また、ちいかわのポップコーンバスケットを肩から下げて歩いている人も何人もいて、映画館全体がお祭りのような雰囲気になっていました。
映画を見終わったあと、私たちはそのままセブンイレブンとのコラボ商品を買いに行き、島二郎のスパイスが効いたカツカレーや、赤魚の煮付け、島辺のラーメン、屋台のケバブチキンなど、作品に登場した料理を実際に楽しみました。そのまま家で映画の余韻に浸りながら二次会のような時間を過ごしたのですが、本当に幸せな一日でした。

まだ見ていない方も、本当に素晴らしい作品なので、ぜひ映画館で体験してみてください。
映画情報
作品名:『映画 ちいかわ 人魚の島のひみつ』
公開日:2026年7月24日(金)全国ロードショー
上映時間:99分
原作・脚本:ナガノ
監督:及川 啓
アニメーション制作:CygamesPictures
配給:東宝
公式サイト
映画『ちいかわ 人魚の島のひみつ』公式サイト