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新型BMW 3シリーズが正式発表。EVだけでなく直6ガソリンも

かねてから噂されていた新型BMW 3シリーズが、ついに正式発表されました。今回の新型3シリーズは、BMWが次世代車として進めている「ノイエ・クラッセ」のデザインや技術を取り入れた新しい世代となり、フル電動モデルの「BMW i3」に加えて、従来のガソリンエンジンを搭載するモデルも引き続き用意されます。

一時はBMW i3を中心に、3シリーズも一気にEVへ移行するのではないかという見方もありましたが、今回の発表を見る限り、そこまで単純に一本化するわけではないようです。ガソリンモデルとしてBMW 320や、直列6気筒エンジンを搭載するM350 xDriveが用意され、今後はプラグインハイブリッドも追加される予定です。今回はBMWが発表したニュースリリースをもとに、新型3シリーズで分かったことを簡単に見ていきたいと思います。

EVだけでなく、3リッター直6も

まず気になるのは、やはりパワートレインです。新しいBMW i3はノイエ・クラッセをベースとしたフル電動モデルで、発売時には「i3 40 xDrive」と「i3 50 xDrive」の2種類が用意されます。上位のi3 50 xDriveは469馬力、最大トルク645Nm、0-100km/h加速は4.7秒。108.7kWhというかなり大きなバッテリーを搭載し、WLTPで最大912kmという航続距離を公表しています。

さらに最大400kWの急速充電に対応し、条件が整えば10分の充電で最大423km分を追加できるとしています。もう一つのi3 40 xDriveも374馬力で、最大航続距離は710km。EVとして見ると、航続距離も充電速度もかなり本格的なものになりました。

ただ、個人的に一番気になったのは、ガソリンモデルがきちんと残ったことです。特にM350 xDriveには3.0リッター直列6気筒ガソリンエンジンが搭載され、48Vのマイルドハイブリッドを組み合わせて最高出力443馬力。0-100km/h加速は4.1秒となっています。

4.1秒という数字だけ見ると、少し前までのM3とほとんど変わらない世界です。私が乗っているF80 M3も仕様によって0-100km/h加速は4秒前後なので、「M3ではない3シリーズ」の上位モデルが、いつの間にかここまで速くなったのかと思うと少し不思議な感じがあります。

もちろんM350 xDriveはM3ではなく、位置づけとしてはMパフォーマンスモデルです。それでも直列6気筒を残し、しかも443馬力まで引き上げてきたことを考えると、EV時代になってもBMWはまだ「直6の3シリーズ」を簡単に終わらせるつもりはないようです。

Souce:https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0460993EN/the-new-bmw-3-series

外観は一気にノイエ・クラッセへ

外観はかなり変わりました。フロントはノイエ・クラッセで採用されている細いライトとキドニーグリルを一体化したようなデザインで、従来の3シリーズとはかなり印象が違います。フル電動のi3とガソリンモデルも、基本的には同じボディデザインが使われ、パワートレインによる違いは細かな部分に抑えられています。

BMWらしい長いホイールベースと短いオーバーハングは残されていますが、ドアハンドルはボディと一体化したフラッシュタイプになり、全体としてかなりすっきりしています。昔のBMWにあった機械的な雰囲気というより、かなり未来的な方向へ進んだ印象です。

リアも特徴的で、横方向を強く意識した細長いライトが採用されています。最近の新型7シリーズなどにも近い考え方で、車体を実際以上に横へ広く見せるデザインです。個人的には、どことなく昔のイタリア車のような雰囲気も少し感じます。

BMWは昔から、新型が出るたびにデザインでかなり賛否が分かれるメーカーでした。例えば2003年に登場したE63型6シリーズも、リアまわりの造形は当時としてはかなり独特で、「本当にこれで出すのか」と思うようなデザインでした。しかし今になって見ると、そこまで奇抜には感じません。

2018年に登場した8シリーズも、従来のBMWより細いリアライトを採用していました。今回の3シリーズを見ると、その流れをさらに細く、横方向へ伸ばしたようにも見えます。BMWは新しいデザインをかなり早い段階で入れてきて、数年後には他メーカーでも似た処理が増えていることがあります。今回も実車が街中を走り始めれば、写真で見る印象とはまた違ってくるのかもしれません。

Souce:https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0460993EN/the-new-bmw-3-series

内装もかなり変わり、大型ディスプレイ中心へ

内装も大きく変わりました。新型3シリーズでは「BMWパノラミックiDrive」が採用され、フロントガラス下部へ情報を表示するパノラミック・ビジョン、ヘッドアップディスプレイ、17.9インチのセンターディスプレイ、新しいステアリングを中心に構成されています。

Souce:https://www.press.bmwgroup.com/global/article/detail/T0460993EN/the-new-bmw-3-series

従来のBMWにあった、メーターパネルとセンターディスプレイがはっきり分かれている構成とはかなり違います。必要な情報をドライバーの視線に近い場所へ表示し、中央の大きな画面でナビゲーションや車両設定などを操作する仕組みになっています。

OSには「BMWオペレーティング・システムX」を採用し、Androidのオープンソース技術をベースにしています。音声操作も強化され、Amazon Alexa+のAI技術がBMWの音声アシスタントへ組み込まれる予定です。

F80世代くらいまでのBMWは物理ボタンがかなり多く、初めて乗っても何となく操作方法が分かりました。それと比べると、新型3シリーズは完全に別の時代へ入った感じがあります。良い悪いというより、3シリーズそのものが「機械としてのクルマ」から、かなりデジタル機器に近い存在へ変わってきたように思います。

M350 xDriveには後輪駆動だけにできるドリフト機能も

M350 xDriveには「ドリフト・モーメント」という新しい機能も追加されています。通常は4WDのxDriveですが、この機能を有効にするとエンジンの力を後輪だけへ送り、後輪駆動の状態にすることができます。

443馬力を後輪だけへ送れるので、かなり派手な走りもできそうです。BMW自身も、これまで本格的なMモデルで楽しめたようなドリフト体験を、Mパフォーマンスモデルでも楽しめるようにしたと説明しています。

ここは少し面白いところです。新型3シリーズは電動化が進み、電子制御も増え、4WD化も進んでいます。昔の3シリーズと比べればかなり複雑なクルマになっているのですが、その一方で「後輪だけに駆動力を送って滑らせる」という機能をわざわざ用意しています。

何だかんだ言っても、こういうところはBMWらしいなと思います。

フル電動のi3についても、新しい高性能コンピューターによってモーターやブレーキ、車体の動きをまとめて制御する仕組みが採用されています。従来より大幅に高速な制御が可能になり、BMWは3シリーズらしい正確なハンドリングをEVでも実現するとしています。

「BMWらしい走り」かどうかは実車を待ちたい

スペックだけを見れば、新型3シリーズは間違いなく速いです。i3 50 xDriveは469馬力で0-100km/hが4.7秒、M350 xDriveは443馬力で4.1秒。少し前なら完全にスポーツカーの数字です。

ただ、ここは実際に乗ってみなければ分かりません。

BMWの面白さは馬力だけではなく、ステアリングを切った瞬間の反応や、リアタイヤがどのように動くのか、車体の重さをどの程度感じるのかといった部分にあります。私はF80 M3に乗っていますが、F80も単純に速いから面白いというより、車体の向きが変わる感覚や、後輪を使って曲がっていく感覚が大きな魅力だと思っています。

今回のi3は前後にモーターを搭載する4WDで、かなり高度な電子制御によって車体を動かします。M350 xDriveも通常は4WDです。スペック上は間違いなく高性能ですが、それが昔のBMWらしい動きになるのか、それともまったく別の種類の速さになるのかは、まだ分かりません。

このあたりは海外の自動車専門誌による試乗や、実際に日本仕様が入ってきた後のレビューを待ちたいところです。

3シリーズもいよいよ完全に次の世代へ

BMW 3シリーズは1975年の初代から50年以上続いており、今回の新型で8代目となります。フル電動のi3は、初代3シリーズも生産されたミュンヘン工場で作られます。一方、ガソリンエンジンを搭載する3シリーズはディンゴルフィング工場で生産される予定です。

面白いのは、ノイエ・クラッセだからといって「これから全部EVにします」とはしなかったことです。i3は最大912kmという航続距離や400kWの急速充電など、完全に次世代のスペックを持っています。その一方で、M350 xDriveには3リッター直列6気筒が残り、443馬力を発生し、必要なら後輪駆動に切り替えてドリフトまでできるようになっています。

かなり新しいことをやっているのに、昔からBMWに乗ってきた人が気にしそうな部分も、まだきちんと残しているように見えます。

デザインについては今回もかなり賛否が出そうですが、BMWは昔から新型が出るたびに似たようなことを言われてきました。E60の5シリーズも、E63の6シリーズも、登場した当時はかなり奇抜に見えましたが、時間が経つと不思議と普通に見えてきます。今回の3シリーズも数年後には、このデザインが当たり前になっているのかもしれません。

まだ正式発表されたばかりで、日本仕様の価格や詳しいグレード構成などはこれからです。個人的には、ガソリンの直列6気筒がきちんと残っただけでも少し安心しました。

日本で実車を見ることができる日を楽しみに待ちたいと思います。

参考・出典

BMW Group PressClub「The new BMW 3 Series」
2026年9月30日公開。新型BMW 3シリーズ、BMW i3、BMW M350 xDriveのパワートレイン、デザイン、内装、走行制御、生産体制などを参照しています。