自由奔放な生活といえば、やはりマリー・アントワネットでしょう。驚くほどの美貌と、軽率かつ気ままな生き方は、現代でも多くの女性が密かに憧れているはずです。中でも有名なのは、毎年200着近いドレスを仕立て、手縫いのストッキングや豪奢な装飾品を揃えたという贅沢ぶり。いまでは考えられないスケールです。
フランス革命のさなか、ルイ16世一家がパリを脱出しようとした「ヴァレンヌ事件」では、国民を欺いて実家のあるオーストリアへ逃げようとしたにもかかわらず、なんと目立つ6頭立ての馬車に大量のドレス、ワイン樽8個、銀の食器まで積み込み、ゆっくり逃げたために捕まったと言われています。
もし「我こそはマリー・アントワネット」と自称するのであれば、大地震が来ても、まずは丁寧に化粧を施し、ストッキングとドレスをメイドに着させてもらい、執事にはワインを12本、クリストフルのスターリングシルバーとサンルイのワイングラスを持たせてから逃げるべきでしょう。
さてマリー・アントワネットも魅力的ですが、時代は流れ、2019年の“ごっこ遊び”として最適なのはナポレオン3世の妻であるジョゼフィーヌです。ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネは貴族の家柄に生まれ、アントワネット同様、美貌の持ち主で、さらに輪をかけて豪快な浪費家として知られています。
ジョゼフィーヌごっこは実はとても簡単です。
まずは、とにかく適当にお金のある男と結婚します。どうせ金持ちの男との仲睦まじい夫婦生活が長続きするわけがないので、3〜4年したら別れましょう。幸せな恋愛結婚を望むなら、マリア・テレジアのように6歳の頃の初恋相手と結婚するしかありません。
本来なら夫がギロチンで処刑されるのが理想ですが、現代ではそうもいかないので、仕方なく船の上から突き落とす程度で我慢しましょう。
晴れて“陽気な未亡人”になったら、総裁政府の愛人となって社交界の花形になるのが次のステップ。毎日パーティーに顔を出して華やかに過ごします。
そしてナポレオンのように野心家で頼れる男と再婚します。真面目な夫は毎日LINEを送ってくるでしょうが、既読スルーして愛人と遊びまくりましょう。夫の出張が多く「単身赴任に付いてきてほしい」と言われても、当然のように「勝手に行ってきて」と送り出します。

忘れてはいけないのが、城に大量の薔薇を育てること。女性はエレガントにローズガーデンを作り、イラスト画集を制作するくらいの意気込みが理想的です。高級で質の良い香水もたくさんコレクションしましょう。薔薇と香水はジョゼフィーヌの必須アイテムです。
お風呂に入るときももちろん薔薇の花びらを浮かべ、飽きてきたらブランデーのコニャックをたっぷり入れてリフレッシュします。
ただし浪費を繰り返していると、さすがの夫も「浮気はしないでくれ」とLINEを送ってくるでしょう。しかし誤送信でそれがTwitterに流出してしまうのです。激怒した夫から離婚届を叩きつけられますが、また離婚すればよいのです。
しばらくすれば寂しさを理由に多額の慰謝料を手にして、老後までぬくぬく暮らせます。
こうして自由奔放に好き勝手に生きれば、きっと後悔はありません。人生にはスリルと薔薇と香水が必要なのです。
どうぞあなたも、来年はジョゼフィーヌごっこで楽しく過ごしてみて下さいね。


