ついに赤い外商カード(お得意様カード)が来ました!
「羽振りよく伊勢丹で買い物をしまくっていたら、赤いカードが届いた!」――そんな話なら格好いいのですが、筆者の場合は少し違います。
今回届いた赤いカードは、実は単なるランクダウン。これまで使っていた「伊勢丹お得意様カード ゴールド」の年会費が1万円だったため、さすがにもったいないと思い、年会費2,000円の赤いカードへ切り替えただけです。
お得意様カード(外商カード・お帳場カード)とは?
簡単にいえば、百貨店を継続的に利用する優良顧客向けに発行されるカードです。昔は「お帳場」と呼ばれ、買い物の際に台帳へ名前を書き、商品を持ち帰って後日まとめて支払うような仕組みが使われていました。
私が利用していた頃の伊勢丹でも、「カードにつけておいて」という形で後払いにすることができました。筆者も過去に1〜2回だけ、いわゆる「ツケ払い」を経験したことがあります。ただ、現在では普通のクレジットカードと同じような感覚で利用している人が大半だと思います。
持っているからといって超リッチとは限らない
「外商カードを持っている人=超富裕層」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。例えば会社経営者で、お中元やお歳暮を百貨店から毎年100件単位で発送しているような人であれば、個人的に高級品を大量購入していなくても外商との付き合いが生まれることがあります。
「プライベートの買い物は高島屋、会社の贈答品は三越」といったように、用途によって百貨店を使い分けている人もいます。そのため、外商カードを持っているという事実だけで、その人の資産規模までは分かりません。
むしろ外商らしい世界を感じるのは、担当者が実際に自宅まで商品を持ってくるようになってからでしょう。カードを持っているだけの場合と、自宅に担当者が定期的に訪問する顧客とでは、かなり世界が違います。
本当のお金持ちは家まで商品を持ってくる!?
かなり上位の顧客になると、頼んでいた商品の届け物などに合わせて、外商担当者が新しい商品を持ってくることがあります。「新作なのですが、ぜひご覧いただけますか」とアタッシェケースを開けると、数百万円クラスの高級時計が何本も並んでいる――そんな世界です。
もちろん全員がそうではありませんが、外商関係者から聞いた話では、こうした場面で「じゃあ1本置いていって」と、その場で購入を決めてしまう顧客もいるそうです。純粋に欲しい商品だからというより、長年の付き合いや担当者との関係から購入するケースもあるのでしょう。
一方で、お金を持っている人ほど、こうした付き合いでの買い物に疲れていることもあります。営業を受けること自体が負担になり、「家まで来られるのは面倒」と感じる人がいても不思議ではありません。外商というと華やかに見えますが、顧客側にもそれなりの付き合いが発生します。
外商顧客が優先される美術展
百貨店では、一般の人でも入場できる美術展や展示販売会が開催されています。しかし、私が利用していた頃は、初日の特別な時間帯などに外商顧客が優先的に案内されることがありました。
こうした顧客は、美術品の担当者や外商担当者から説明を受けながら、ゆっくり作品を見ることができます。そして気に入ったものがあれば、その場で数十万円、数百万円という作品を購入していきます。そのため、一般客が後から会場を訪れる頃には、すでに「成約済」の札が付いた作品が並んでいることもありました。
草間彌生の版画など人気の高い作品が数多く扱われていた時期には、早い段階で売れてしまう作品も珍しくありませんでした。百貨店の美術売場は、単なる展示スペースというより、外商顧客との関係を生かした重要な販売の場でもあります。
外商カードの利点と魅力
三越伊勢丹のお得意様カードには、私が利用していた時期には購入金額などに応じた優待制度がありました。制度や条件は時期によって変わりますが、一般のクレジットカードとは異なる扱いや、外商顧客向けのサービスが用意されることがあります。
特に高額商品の購入では、商品やブランドによって担当者へ相談できる余地があることも外商の魅力です。一方で、カルティエやティファニーなど、ブランド側の方針によって基本的に値引きされない商品もあります。外商だから何でも安く買えるわけではなく、対象商品や時期によって条件はかなり異なります。
ラウンジやクーポンなどの付帯サービス
その他の特典として、私が利用していた頃にはお得意様向けラウンジがあり、コーヒーや紅茶を飲みながら休憩することができました。ただし、新宿伊勢丹では休日になると非常に混雑し、ラウンジへ入るために待つこともありました。便利なサービスではありますが、「外商顧客だけの静かな空間」というイメージとは少し違う日もあります。
お得意様ゴールドカードでは、駐車場やクリーニング、お直しなどに利用できるクーポンが送られてきた時期もありました。喫茶や食事に使える割引券などもありましたが、こうした付帯サービスについては制度変更があるため、現在の内容は公式サイトなどで確認した方が確実です。
海外旅行保険は大きな決め手にはなりにくい
カードによっては海外旅行保険なども付帯しますが、これを目的に外商カードを持つ人はそれほど多くないと思います。外商を利用する層では、アメリカン・エキスプレスやダイナースクラブなど、別のクレジットカードを併用しているケースも多く、旅行関連の補償はそちらで確保していることもあります。
そのため、外商カードの価値は旅行保険のようなカードスペックより、百貨店との関係や担当者を通じたサービスにあると考えた方が実態に近いでしょう。
外商カードは本当に便利なのか?
結局のところ、外商カードは「持っていることを自慢するカード」というより、百貨店を頻繁に利用する人にとって便利だから持っているカードです。
カードそのものより重要なのは、外商担当者との関係です。商品を探してもらったり、取り置きをお願いしたり、催事へ案内してもらったりと、使い込むほど通常のクレジットカードとは違うサービスになっていきます。
一方で、付き合いが深くなれば営業も増えます。「また何か買ってあげないと悪いかな」と感じることもあり、筆者自身は最終的にそうした付き合いを少し面倒に感じるようになりました。便利さと付き合いの濃さは、ある意味セットなのかもしれません。
有料追記
もう少し深く知りたい方へ
過去の丹青会体験記
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