経営者に向き不向きがある?その条件とは……

コラム
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孫子の兵法には、将軍が備えるべき五つの条件として「智・信・仁・勇・厳」が挙げられています。知識や誠実さ、優しさ、勇気、そして時に仲間にも厳しく接する力。しかしこうした理念をそのまま現代に当てはめても、具体的にイメージしにくいものです。実際に“強いリーダー”を観察すると、もっと分かりやすい共通点が見えてきます。それは、「自己と他者の境界線が非常に明確である」という点です。

家電修理で見えた“経営向きの性格”

とある成功しているビジネスマンと過ごしていた時、価値観の違いに驚かされる出来事がありました。彼の家電が購入三ヶ月で故障した際、サポートセンターにやや強めの口調で要求を伝え、当初「明後日」と言われていた修理を、交渉の末その日のうちに来てもらうことに成功したのです。私なら丁寧にお願いして終わりますが、結果だけ見れば彼の方法が正しかったと言えます。高級ホテルでも堂々とサービスを受け、対価を払う以上当然という態度。一方、私は部屋を散らかしたままチェックアウトするのが申し訳なく感じるタイプで、その差は明確でした。

性格の違いは幼少期の環境から始まる

なぜこれほど違うのか。考えてみると、幼少期の環境が大きく影響しています。彼は名家の生まれで、子どものころから使用人や従業員が身近にいて、自分が「やってもらう側」であることが当たり前でした。同時に私立の受験やコンクールなど、幼い頃から競争が日常にあり、「次は自分が勝つ」という闘争心が培われていきます。一方の私は農家の家庭で育ち、協調性が重んじられる村社会の空気のなかで生活してきました。競争よりも平和にやっていくことが重視され、公立の学校で同じペースで育つ環境。性格が形成される頃には、すでに“争いごとが苦手”なタイプとして固まっていたのです。

経営に必要なのは「闘争心」と「線引き」

大人になって実感したのは、この差がビジネスで大きく影響するということです。私のように温厚で共感力の高いタイプは、人の気持ちを汲み取るのが得意で、物語でもすぐに感情移入してしまうほど。しかし企業を率い、競合と戦い、社員を守り、取引先と交渉するには、彼のような“強い線引きのできる性格”が必要です。実際、私が納品から2年後のクレームに全額返金してしまったとき、会社の利益は大きく損なわれました。彼なら「対応は1週間までです」と淡々と伝え、企業として最適な判断をしていたでしょう。これは冷たさではなく、経営に必要な能力です。

人は12歳前後で性格が固まる

残念ながら、人の性格は12歳前後でほぼ固まると言われます。競争心の強い人は大人になっても強いまま、温厚で共感型の人はそのままです。無理に逆の性格になろうとする必要はありません。向いていない仕事を選べば苦しくなるだけ。重要なのは、自分の性質を正しく理解し、それに合った働き方やパートナーと組むことです。私のように交渉が苦手なら、強いタイプの人と組んで補い合えば良い。逆に、強気なタイプは共感力のある人と組むことでバランスが取れます。

自分のタイプを知るだけで人生は楽になる

結局のところ、大切なのは「自分はどちらのタイプか」を知ることです。そして相手のタイプが違えば、それを理解すること。それだけで、仕事のストレスも人間関係の摩擦も驚くほど減ります。あなたはどちらのタイプでしょうか。闘争心の強いタイプか、共感型か。どちらであっても構いません。戦い方が違うだけで、役割と活躍の場はきちんと存在しているのです。

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