スターバックスコーヒージャパンは、2025年11月10日より一部商品の価格を改定すると発表しました。
対象はコーヒー豆(ホールビーン)を中心に、VIA・ORIGAMI・TEAVANAなどの家庭向け商品も含まれます。
この発表は店頭でも掲示が始まっており、レジ横の「価格改定のお知らせ」を見て驚いた方も多いのではないでしょうか。
多くの定番ブレンドが約10〜13%の値上げとなり、日常的にスターバックスの豆を自宅で楽しんでいる方にとっては、少し痛いニュースです。

主要商品の価格改定一覧(11月10日より)
ホールビーン(250g)粉コーヒー
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商品名 |
現行価格 |
新価格 |
値上げ幅 |
|---|---|---|---|
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スターバックス ライトノート ブレンド |
¥1,320 |
¥1,480 |
+¥160 |
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パイクプレイス® ロースト |
¥1,320 |
¥1,480 |
+¥160 |
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ハウス ブレンド |
¥1,320 |
¥1,480 |
+¥160 |
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TOKYO ロースト |
¥1,440 |
¥1,590 |
+¥150 |
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カフェ ベロナ® |
¥1,440 |
¥1,590 |
+¥150 |
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ディカフェ ハウス ブレンド |
¥1,440 |
¥1,590 |
+¥150 |
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スマトラ |
¥1,540 |
¥1,740 |
+¥200 |
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コモド ドラゴン ブレンド® |
¥1,440 |
¥1,740 |
+¥300 |
全体的に150〜200円程度の上昇で、平均すると約12%前後の値上げです。
値上げ率が比較的穏やかなのはブレックファーストやライトノートといった定番ブレンド、
逆にスマトラやコモドドラゴンなど、希少産地や深煎りの豆ほど上昇幅がやや大きい傾向にあります。
値上げの背景にある「コーヒー豆の国際価格」高騰
今回の値上げには、単なる企業の判断ではなく、国際的なコーヒー相場の急騰という大きな要因があります。
2020年からの5年間で、コーヒー豆の国際先物価格(米国ICE相場)は約4倍(+300%超)に跳ね上がりました。
1. ブラジルでの不作・天候不順
世界最大のコーヒー生産国ブラジルでは、2021〜22年にかけて異常気象が続きました。
干ばつ、そしてまさかの「霜害」。
熱帯地域で霜が降りるのは極めて珍しく、広範囲のアラビカ種の木がダメージを受け、収穫量が急減しました。
これにより、世界全体の供給量が一気にタイトになり、価格が跳ね上がったのです。
その後も高温傾向と不規則な降雨が続き、完全な回復には至っていません。
2. 中南米各国の病害と高温化
ブラジルだけでなく、コスタリカ・ホンジュラス・グアテマラなど中米諸国でも「コーヒーさび病」や高温障害が頻発しています。
これらはアラビカ種に多く見られる問題で、近年の地球温暖化による気候変動リスクが背景にあります。
温度上昇は品質にも影響を与えるため、生産量だけでなく高品質豆の確保も難しくなり、全体価格の底上げ要因となっています。
3. 肥料・物流コストの上昇
2022年以降、ウクライナ情勢を背景に肥料・燃料費が世界的に高騰しました。
コーヒー豆の輸送には海上コンテナを使いますが、船舶運賃や保険料も上昇。
これが生産国から日本への輸入コストに直結しています。
スターバックスのようなグローバルチェーンでも、コスト転嫁を避けることは難しく、最終的に小売価格に反映せざるを得ない状況です。
4. 為替要因:1ドル=150〜160円時代
さらに大きな要素が「円安」です。
2020年ごろの1ドル=100〜110円から、現在は150〜160円前後。
輸入依存度の高いコーヒー豆にとって、この為替差は単純に1.5倍のコスト増に相当します。
ドル建ての原料を円に換算する時点で負担が増えるため、国内価格改定は避けられません。
スターバックスに限らず、すべてのロースター・輸入業者が同じ影響を受けています。
実際の相場推移を見ると…
米国コーヒー先物(アラビカ種・2025年12月限)は、現在 403セント/ポンド。
2020年の約100セントから4倍以上に上昇しており、過去5年で300%超の上昇率となります。
背景には、
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ブラジルの霜害・干ばつ
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気候変動による不安定な収穫
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輸送コスト上昇
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円安による輸入コスト増
が重なっています。
値上げはスターバックスだけではない
今回の改定はスターバックスに限った話ではなく、他のコーヒーロースターや専門店でも順次価格改定が進んでいます。
キーコーヒー、UCC、タリーズなども、既に家庭用豆・業務用豆ともに値上げを発表済み。
つまり、コーヒー市場全体で「原材料インフレ」が進んでおり、
今後も一時的な調整はあっても、全体的に高値圏が続くと考えるのが現実的です。
とはいえ、永遠に上がり続けるわけではない
ただし、全てが悲観的というわけではありません。
余談ですが、同じく高騰していたカカオ先物やオレンジジュース先物は、2025年後半に入りやや下落傾向を見せています。
コモディティ市場は常に需給で動くため、コーヒーも来年以降、
もしブラジルや中米で豊作が見込まれれば、一時的な値下がりもあり得ます。
つまり、今の価格が永続的に上がり続けるとは限りません。
まとめ
スターバックスの今回の価格改定は、
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コーヒー先物価格の高騰(+300%)
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天候不順や不作
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物流・肥料コスト上昇
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為替の円安進行
といった世界的な背景を受けた、やむを得ない動きです。
一方で、世界的な農作物価格は循環的に動いており、
将来的に落ち着く可能性もあります。
コーヒー好きとしては少し痛いですが、
今後は「いつもの豆を少しずつ楽しむ」や「別ブランドを試す」など、
自分なりの新しい飲み方を探す時期かもしれませんね。



