1万円以下で実現できる、長期災害サバイバルの備え

ライフ&ハック
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近年、日本では台風や大雨、洪水、さらには地震といった災害が頻発しています。
テレビやネットでは、防災意識を高めるために「防災セットを用意しましょう」「食料は家族の1週間分を目安に」といった情報が繰り返し紹介されています。SNS上でも、役立つアイデアやチェックリストが日々共有されていて、多くの人が参考にしているのではないでしょうか。

しかし、今回私が取り上げたいのは少し違う角度からの考え方です。

「もし本当に大規模な災害が発生し、長期にわたって社会機能が停止したらどう生き残るか」──といった視点です。


自然災害だけではない「リスク」

災害というと地震や台風を想起しがちですが、現代のリスクはそれだけにとどまりません。
東アジアの地政学的緊張は高まり、台湾や中国で突発的な有事が発生してもおかしくない状況にあります。北朝鮮も依然として不安定で、ミサイル発射実験が繰り返されているのは周知の通りです。

つまり「自然災害」と「人災」が同時に起こり得る時代に、私たちは暮らしているのです。

東日本大震災のように、インフラや物流が長期にわたり機能不全に陥る可能性を想定すれば、「数日しのぐ」だけの備えでは不十分かもしれません。数週間から数ヶ月、あるいはそれ以上──そうした長期スパンでの生存戦略を考える必要があるのではないでしょうか。

皆さんは映画『サバイバルファミリー』をご覧になったことはあるでしょうか。2017年に公開された作品で、ある日突然「地球から電気が消えた」という仮定のもと、物語が進んでいきます。テレビや冷蔵庫、スマホやパソコンといった家電はもちろん、車や電車、ガスや水道までもが一斉にストップし、東京が一気に廃墟と化していく──非常に印象的な作品です。

この映画の面白い点は、ただのフィクションにとどまらず「もし現実に同じことが起きたらどうなるか」を具体的に想像させてくれるところです。たとえば劇中では、 お金が急速に意味を失っていく過程 が描かれていました。電気が止まり、飲料水を転売する人が現れ、1000円で買いそびれると次には2000円、さらに値上がりしていくというインフレーションの描写です。

金や車といった「換金性の高い資産」も役に立たず、代わりに「食べられるもの・飲めるもの」、さらには「お酒」などの嗜好品の価値が一気に上がっていく。こうした価値の転倒は、非常にリアルに感じられました。


実際の災害でも起こり得ること

もちろん、映画はフィクションですが、現実の大規模災害時にも似たような現象が起こり得ます。

たとえば、現在は電子マネーやQRコード決済が普及していますが、大規模災害によって通信インフラが止まれば、それらは一瞬で無価値になります。現金の存在感は依然として大きいものの、もし数ヶ月から数年にわたる長期の災害となれば、流通や供給が止まり、現金ですら一時的に力を失う可能性があります。

ここで誤解していただきたくないのは、必ずしも数千万円を投じて大規模な地下シェルターを建てる必要はない、ということです。大げさな設備ではなくても、どの時代・どの災害のタイミングでも結局必要になるのは、とてもシンプルなものです。

それは 「衛生的な水」と「食料」 です。

テレビ番組などでも「ペットボトルの水を備蓄しましょう」とよく紹介されます。もちろん何十リットルもの水をストックできれば非常に安心ですし、最も衛生的で理想的な備えでしょう。しかし、現実にはそのためのスペースを確保するのは難しく、定期的にローテーションして消費・補充する習慣を持つことも簡単ではありません。


解決策の一例:ソーヤーミニ

そこで私が現時点で最適解として考えているのが、 ソーヤーミニ という携帯型の浄水フィルターです。

これはアウトドアや防災用に開発された小型ポンプで、NPOやNGOでも実際に使われており、世界100カ国以上で利用されています。

最大の特長は、病原菌などの有害微生物を 99.9999%除去できる性能 です。川や山の湧水といった不衛生な水源でも直接飲めるようになり、繰り返し利用することで数千リットル以上の浄水を得ることが可能です。価格も比較的安価で、ネット通販ではおよそ5,000円前後で購入できます。

もちろん、重金属や化学物質といった一部の汚染には対応できませんが、少なくとも下痢や感染症を引き起こすような病原体に対しては大きな効果を発揮します。つまり「最低限の生命維持」に必要な水を、長期間にわたり確保できるツールといえるのです。

水を「安全に使い続ける」ための工夫

水はただ「備蓄する」だけでなく、「不衛生な水をどう衛生的に使える状態に戻すか」という視点も重要です。そこで役立つのが、先ほど紹介したソーヤーミニのようなポンプ式フィルターに加え、粉末から次亜塩素酸水を生成できる製品です。

たとえば「ジアラスターEX」という商品(他社製でも同様の仕組み)は、粉末を水に溶かすことで簡易的に次亜塩素酸水を作ることができ、価格は1,400円前後と非常に安価です。プールの除菌やウイルス対策に使われるものですが、希釈の濃度を調整すれば飲料水の殺菌にも活用できます。これを使えば、お風呂に溜めた水や雨水などを一定の安全水準に引き上げることが可能です。

つまり、

  • ソーヤーミニ:川の水など直接的に不衛生な水源から「少量でも確実に」飲料水を得る。

  • ジアラスターEX:比較的きれいに見えるが不安が残る水を「まとめて」殺菌・安全化し、飲用・料理・シャワーなど幅広く使う。

この2つを組み合わせることで、不衛生な状況でも水を効率的に再利用できる体制が整います。


ガスは「殺菌」ではなく「加熱」に限定する

もちろん、カセットコンロでお湯を沸かして殺菌する方法もあります。しかし実際に行ってみると、ガスボンベの消費は想像以上に早く、飲料水や生活用水をすべて沸騰させるのは現実的ではありません。

したがって、ガスは「料理や温かい飲み物を作るため」だけに使い、日常的な殺菌・衛生管理はソーヤーミニや次亜塩素酸水に任せる──こうした役割分担こそが、最も効率的な運用方法といえるでしょう。

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食料備蓄という現実的な課題

水と並んで重要なのが「食料」の確保です。レトルト食品や缶詰は非常に便利で、そのまま食べられるものも多くなっています。ただし量が少なく、数日分をそろえるだけでも意外と大変です。ローリングストックをしても、現実的には数日からせいぜい1週間程度が限界でしょう。

そこで視点を少し広げると、意外に役立つのが 小麦粉や砂糖といった基本食材 です。

  • 小麦粉:ベーキングパウダーと合わせればホットケーキやパンに。工夫すればうどんなどの主食にもなる。

  • 砂糖:密閉して保存すれば長期に劣化せず、緊急時には砂糖水を作ってエネルギー補給ができる。他者との物々交換もできる。

さらに、普段から常備しているものを応用するのも効果的です。たとえば プロテインパウダーや粉ミルク は粉末なので保存性が高く、非常時の栄養補給に適しています。特に粉ミルクは子どもだけでなく大人にとっても「飲める栄養食」として役立ちます。


エネルギーをどう確保するか

水・食料と並んで重要なのが、エネルギーの確保です。災害が長引けば、電気・ガス・灯油といったライフラインは途絶する可能性が高く、生活のあらゆる面で支障をきたします。ここでは「最低限の火」と「電気」の確保をどう組み合わせるかがポイントです。

1. 火(調理・暖房用)

  • カセットコンロ:小型で持ち運びやすく、ボンベがあればすぐに使える。料理やお湯を沸かすのに最適。ただしボンベの消費は早いため、殺菌や大量の加熱には不向き。

2. 電気(照明・通信・最低限の家電)

  • モバイルバッテリー:複数台を持ち、定期的に充電サイクルを回しておく。

  • ソーラーパネル付き充電器:晴天時に補充電でき、長期停電に対応可能。

  • 乾電池式ランタン:LEDタイプなら単三電池で数十時間点灯できる。

通信機器(スマホやラジオ)を維持できるだけで、情報を得て安全な判断を下せます。特にラジオは災害時に唯一の情報源となる場合があるため、手回し式やソーラー式を一台備えておくと安心です。

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このような大型バッテリーを備蓄するとiPhoneを75回フル充電できます。スターリンクなどを使えば、完全にインフラが絶たれてもネット通信も可能です。

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ウクライナでも活用されています。この2つあれば、山間部でも海の上でもネット通信できます。

3. 燃料の分散備蓄

  • ガスボンベ:料理用として12本単位でストック。

  • 乾電池:単三・単四を中心に、充電式と使い分け。

  • ポータブル電源:小型でも照明やスマホには十分。中型以上なら簡易家電も稼働可能。

すべてを電気に依存せず、ガス・電池・ソーラーを組み合わせて冗長性を持たせることで、長期停電にも耐えやすくなります。

日常にどう組み込むか

大切なのは、これらを「特別な備え」とせず、日常生活に自然に組み込んでおくことです。水や食料はローリングストックを意識し、エネルギー機器は普段から旅行やアウトドアで試して慣れておく。そうした習慣化が、いざという時に最大の安心へとつながります。

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