久しぶりに百貨店で香水を買って驚いた──10年でここまで変わった「香水の価格」

ファッション
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先日、久しぶりに百貨店で香水を購入しました。久々にカウンターで香水を手に取ったとき、真っ先に目に飛び込んできたのは価格の桁の違いでした。

「こんなに高かったっけ?」と、驚きと軽いショックを受けました。

私の記憶の中では、香水といえば少し背伸びをすれば手に届く贅沢品でした。ペンハリガンやラルチザン、クリードなどの本格的なブランドでも、100mLのボトルが1万円台前半で手に入る時代が確かにあったのです。ところが今や、同じクラスの香水が2万円台中盤〜3万円前後。中には5万円を超える商品も珍しくありません。

今回は、その価格上昇の実態と背景、そして「いま香水を買うならどのくらいの予算を考えればいいのか」について、実体験と具体的なデータを交えてまとめてみました。


2015年頃までは「香水がまだ身近」だった時代

10年前を思い返してみると、香水の価格帯は今よりずっと穏やかでした。

たとえば当時のペンハリガンやラルチザン・パフューム、クリードなどは、サイズにもよりますが1〜1.5万円台で購入できるものが多くありました。

ゲランのメンズライン「オム イデアル」などは6,000円前後で並んでいましたし、ラリックの香水なども1万円前後で選ぶことができました。今では考えられないほど、香水が「日常の延長」にあった時代です。

特に印象的なのは、メゾン・マルジェラの「REPLICA」シリーズです。

2013年頃の発売当初、「ジャズクラブ」などのオードトワレ100mLは10,500円(税込)でした。

当時は、百貨店でも「1万円台前半で買える洒落たブランド香水」として人気を集めていたのです。ところが現在、同じマルジェラの「レプリカ」シリーズは100mLで24,640円(税込)。わずか10年ほどで2.35倍(+約13,000円)もの値上がりをしています。

https://www.maisonmargiela.com/j

2023年発売の新作「On a Date」が19,800円だったことを考えても、そこからさらに5,000円近く上がっており、この10年で価格構造そのものが変わってしまったことが分かります。


香水全体で進む「価格の二極化」

マルジェラだけでなく、他ブランドも軒並み上昇しています。いくつか代表的なブランドを見てみましょう。

  • メゾン・マルジェラ「レプリカ」EDT 100mL:24,640円

  • ペンハリガン(クラシック系EDT 100mL):27,390円

  • ペンハリガン「ポートレート」シリーズ(ロード・ジョージ/EDP 75mL):47,850円

  • ルイ・ヴィトン「アトラップ・レーヴ」EDP 100mL:48,400円

  • ルイ・ヴィトン「オンブレ・ノマド」EDP 100mL:57,200円

  • ゲラン「ビーボトル」カスタマイズ 125mL:123,860円〜(仕様により最大30万円台まで)

出典元:https://www.guerlain.com/jp/ja-jp/p/

ざっくりまとめると、標準ラインが2〜3万円前後、プレミアムラインは4〜6万円、特別仕様は10万円を超えるというのが現在の相場感です。

10年前には、2万円も出せば“最高級”だったのに、今では「標準クラス」。まさに香水のインフレです。


なぜここまで値上がりしたのか?3つの理由

1. 為替(円安)の影響

最大の要因はやはり為替の変動です。2025年現在、円は対ドル150円前後、対ユーロ170円台後半、対ポンド200円超と歴史的な円安水準にあります。

香水の多くはフランスやイギリスなどから輸入されるため、この為替レートが直撃します。2013年〜2016年頃の為替はドル100〜120円台、ユーロも130円前後でした。

つまり当時と比べて、現在は単純計算で1.3〜1.5倍のコスト増そこに関税・物流費・ブランドマージンが乗れば、2倍近い価格上昇は自然な結果ともいえます。

2. 欧州の物価上昇とコスト高

次に大きいのが、ヨーロッパの物価上昇です。

原材料(香料、アルコール、ガラス瓶、金属パーツ、パッケージ)、エネルギーコスト、そして人件費がこの数年で軒並み上昇。物流や保険料も上がっており、メーカーの製造原価が上振れしています。

特に香水業界では、美しい瓶やキャップ、特注のデザインにこだわるブランドほど影響が大きい。ゲランの「ビーボトル」のような装飾系は、もはや「クラフト品」に近いコスト構造になっています。

3. 国内消費税とブランド戦略

そして国内要因として、2019年の消費税10%への引き上げも影響しています。
香水や化粧品は軽減税率の対象外であり、単価が高いほど税の影響が大きくなります。

また、ラグジュアリーブランドは株主還元やブランド戦略の一環として「高価格帯シフト」を進めており、ペンハリガンやルイ・ヴィトンのように“高級フレグランス=アート”として位置づける動きも強まっています。


「どこで買うか」で価格が変わる

同じ香水でも、購入ルートによって価格は大きく異なります。いくつか代表的な方法を挙げてみます。

百貨店カウンター・直営店

最も安心なのが百貨店カウンターやブランド直営店。カウンセリングやテスター体験ができ、真贋の心配もありません。

ただし当然ながら定価販売が基本で、人気の香りは入荷待ちも珍しくありません。ギフト包装や名入れなど「体験価値」重視の人に向いています。

百貨店EC・大手コスメEC

三越伊勢丹の「meeco」や大丸松坂屋の「DEPACO」など、公式ECでも同価格で販売されています。オンライン限定特典やポイント還元があり、在庫検索も便利です。

例:レプリカ100mL=24,640円(税込)。

免税店(空港デューティーフリー)

出国前に購入するなら、免税店が有力です。

関西空港の免税店では、ペンハリガン「LUNA」EDT 100mLが30,200円、ポートレートシリーズ「ロード・ジョージ」75mLが41,600円と、若干お得になっています。

ただし銘柄や在庫に限りがあり、旅行予定がないと利用できません。

並行輸入・ディスカウントEC

楽天市場やAmazon、コスメモールなどの並行輸入品は、場合によっては定価の半額程度で買えることもあります。

たとえばレプリカ100mLが1.2万円前後で出ていることもあります。

ただし並行品は真贋・品質・返品対応が限定的で、自己責任の幅が広いのが難点です。

信頼できる販売者を見極める目が必要です。


いま香水を買うなら、いくら必要か?

現実的な目安を挙げると、次のようになります。

  • 標準ライン(EDT/EDP 100mL):25,000円前後

  • プレミアムライン(濃度・装飾・コレクション系):40,000〜60,000円

  • 特別仕様(カスタム・アートボトルなど):100,000円〜

実用的な範囲で考えると、2〜3万円の予算があれば主要ブランドの半分以上を選ぶことができます。

5万円台まで視野に入れれば、プレミアムレンジ(ペンハリガンのポートレートシリーズやルイ・ヴィトンの主力ライン)にも届きます。

一方、特別な贈り物やコレクションを狙うなら、10万円以上を覚悟する必要があります。


「サイズ戦略」で賢く楽しむ

香水の楽しみ方も、この10年で変わりました。

最近では、30mLや10mLのミニサイズトラベルスプレーが定番化しています。

マルジェラ「レプリカ」の場合、

  • 10mL:5,390円

  • 30mL:11,990円

  • 100mL:24,640円

と明確に価格が分かれています。

「まずは小さく試す」「気に入ったら大瓶を買う」——そんな段階的な楽しみ方が可能です。

また、ホリデー限定セットや、オンライン限定のミニボトルセットなども登場しており、香りを複数楽しみたい人にはコスパが良い選択肢といえるでしょう。

フエギア 1833


2〜3万円が「新しい入口」になった時代

2010年代中盤まで、1万円あれば百貨店でお気に入りの香水を選べた
そんな時代を知る世代にとって、今の価格は少し衝撃的です。

しかし、円安・物価上昇・ブランド戦略という構造的な要因を考えれば、これが新しい常態だと言えます。もはや「昔の感覚」で店頭に向かうと、予算オーバーになる時代です。

いま香水を買うなら2〜3万円が“入口”、5万円で“上質”、10万円で“芸術品”
この基準を頭に入れておけば、選択肢の幅も心の準備も、きっと整うはずです。

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