子どものころ、夏といえば「長い休み」と「かき氷」がセットでした。学校が1か月以上休みになり、海に行ったり、友達と遊んだり、縁日で氷を頬張ったり――あの時間は今思い返しても宝物のようです。
けれど大人になると、そうはいきません。社会人に与えられる休暇はせいぜい数日から1週間程度。つまり「夏休み」は受け身で与えられるものではなく、自分から能動的に作り出さなければならないのです。
だからこそ、短い時間で「夏を味わう方法」を探すようになります。その一つの答えが、シンプルながらも奥深い「かき氷」なのです。
手作りかき氷の魅力
最近はかき氷ブームが再燃し、専門店では行列ができています。台湾風のマンゴーかき氷、ふわふわの削り氷に練乳と果実がたっぷり乗ったもの、さらにはパティシエ顔負けのデザート仕立ての一品まで。
でも、忙しい大人にとっては「お店に並ぶ時間すら惜しい」と感じることもあります。
だからこそ、自宅で気軽に作れる工夫が必要です。

最初に思いつく「映える」アイデア
いくつか試してみたことがあります。
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フルーツスムージーを冷凍して氷にする
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台湾風にマンゴーをふんだんに乗せる
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アイスコーヒーを凍らせて、ミルクをかける「レイコーかき氷」
どれも魅力的ですが、手間がかかるのが難点です。下ごしらえに時間がかかり、休日に「かき氷を食べたい」と思い立ってもすぐにはできません。
そこでたどり着いたのが「市販のシロップ+ジャム」という、シンプルながらも奥深い方法です。

市販シロップに「ひと手間」
かき氷用シロップは、子どものころから馴染み深いものです。いちご、メロン、ブルーハワイ――どれも人工香料が強く、正直なところ大人になると「途中で飽きる」ことがあります。
一方で、ジャムを水で薄めてシロップ代わりにすると、リアルな果実感は出るのですが、あの懐かしい「かき氷らしい香り」が無くなってしまうのです。
だからこそ、「市販シロップにジャムをプラスする」という方法が絶妙なのです。人工的な香りと、果実そのものの食感が合わさって、最後まで食べ飽きない一杯に仕上がります。

おすすめシロップとジャム
市販のシロップにも様々なメーカーがあります。あまり無名なものだと、香りや味の再現度に違和感を覚えることも。
個人的におすすめなのは 明治屋の「マイシロップ」。昔ながらの風味がありつつ、しっかりとした甘みと香りがあります。
お酒好きなら、モナンのシロップを使っても良いでしょう。ただし、モナンはカクテル向けなので、かき氷専用とは違い香料が抑えめな場合があります。その点では、やはり専用品を選んだ方が「らしさ」が出ます。
そして、ここに加えるのは フォションなどの本格ジャム。砂糖たっぷりのアオハタジャムも美味しいのですが、大人のかき氷に仕上げたいなら、果実感が強く酸味のある輸入ジャムが向いています。
例えばフォションのストロベリージャムを加えれば、「フランス、ドローム地方のダルセレック・ストロベリーかき氷」風に。さらに苺をスライスしてトッピングすれば、ちょっとしたデザートのようになります。
簡単なのに特別感
この方法の良いところは、手間がほとんどかからないことです。市販のシロップにスプーン一杯のジャムを混ぜるだけ。冷凍庫から氷を出して削れば、数分で完成します。
それでいて、普通のかき氷よりもワンランク上の味になる。自分のために作っても良いし、家族や友人に出せば「おっ」と思ってもらえる。まさに大人の夏休みにふさわしい一品です。
応用アイデア
さらに楽しみたい人には、こんな工夫もおすすめです。
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コンポートをトッピング:桃や洋梨のコンポートをシロップごと乗せれば、カフェ風に。
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リキュールをひとたらし:グランマルニエやカルーアなど、お気に入りのお酒を少しだけ加えると大人の味に。
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和のアレンジ:抹茶シロップに小豆ジャムを合わせると和風の宇治金時風。
こうしたアレンジを加えると、自宅でも「専門店のかき氷」に負けない満足感が得られます。
まとめ ― 大人の夏を取り戻す
学生時代のように長い夏休みはありません。けれど、大人だからこそ「短い時間でも夏を楽しむ方法」を自分で選び取ることができます。
かき氷はその象徴です。市販シロップにジャムをひとさじ加えるだけで、子どもの頃の懐かしさと、大人ならではの贅沢感を両立できます。
休日の午後、ほんの10分だけでもいい。氷を削って、特製シロップをかけて一口食べれば、「夏休みは自分で作れるんだ」と実感できるはずです。
さあ、今年の夏はあなたも「大人のかき氷」で、ささやかな休暇を味わってみませんか。


