ジップロックは油を通す?36歳の教養不足が暴いた日常科学

Pickup
この記事は約5分で読めます。

ChatGPTを日常的に使うようになってから、疑問を見つけたらすぐに投げかけるようになりました。怒られることもないし、周りに「こんなことも知らないの?」と呆れられる心配もないからです。

そんな教養がない36歳ですが、時々「こんなことも知らなかったのか…」と自分自身に衝撃を受けることがあります。教養のある人からすれば常識でも、私からすると初めての知識だったりするのです。

今日はそんな「恥ずかしいけど、驚いた」日常科学の話をいくつか紹介してみたいと思います。


ジップロックは万能じゃなかった!?

最初の驚きはこれです。

コーヒー豆やオリーブオイルをジップロックに入れて保存してみたら、数日は問題なかったのですが、1か月経った頃に袋の表面がベタベタに。

「これは…隙間から漏れているんじゃないか?」と思った私は、新しい袋を使って試してみました。しかし結果は同じ。

「新品でも漏れるってどういうこと?」と混乱しながら検索してみたら――

どうやら ジップロックは油や匂いを“通す” らしいのです。

素材は低密度ポリエチレン(LDPE)。水のような極性分子はほとんど通さないのですが、油や香りのような非極性分子は袋の分子の隙間をゆっくり拡散して通り抜けてしまうのだとか。

つまり、カレーや漬物を入れて匂いが外に漏れるのも、コーヒー豆の油が袋の外まで滲みてくるのも、袋の欠陥ではなく素材の性質だったのです。

これを知ったとき、「えっ!ジップロックって密閉袋じゃなかったの!?」と声を出してしまいました。

みなさん笑ってください。私は本気で“ジップロック=絶対に漏れない魔法の袋”だと思っていたのですから…。


風船の空気はどこへ消える?

もうひとつ驚いたのは風船の話。

子どもに「風船の空気ってなんで抜けちゃうの?」と聞かれて、一瞬で答えることができますか?

「えーと…空気が隙間から抜ける?」とか、「結び目が緩んでるんじゃない?」くらいしか思いつきませんでした。

ところが正解は、ゴムは水は通さないけれど、ガス分子は通すというものでした。

空気やヘリウムは小さい分子なので、ゴムをじわじわとすり抜けていく。だから数日はパンパンでも、数日後にはしぼんでしまう。いや、考えてみれば当たり前なんですよね。でなければ“ヘリウム風船はすぐ萎む”なんて現象が説明できないわけで。

同じ理屈で、ペットボトルの炭酸が抜けるのもPET樹脂が完全なバリアではなく、CO₂が少しずつ透過するから。だから缶の方が炭酸を長く保持できる。さらに冷凍庫の氷が小さくなるのも、「溶けた」のではなく「昇華」――固体が直接気体になる現象が原因です。庫内の霜はその“逃げ出した分子”たちの成れの果てなんです。


氷はなぜ膨らむ?

氷といえば、もうひとつの勘違いがあります。

私は長い間「水が氷になると体積が増えるのは、空気が閉じ込められるから」だと思っていました。

ジップロックで氷を作ると袋がパンパンに膨らむので「中に空気の隙間ができてるんだろう」と信じて疑わなかったのです。

しかし実際には違いました。氷の結晶は六角格子を作るため、水分子の間に何もない空間が生じます。それが“真空のようなスキマ”で、結果として体積が増える。空気なんて取り込まれていなかったのです。

水から氷になると約9%膨張します。この事実を知ったときも、私は頭を抱えて「今までずっと勘違いしてた…」と落ち込みました。


剛体容器に閉じ込めて凍らせたら?

そこで、「タングステンのような強力な金属の容器に水を入れて凍らせたらどうなる?」とChatGPTに聞いてみました。

答えは――特殊な高圧氷ができる場合があるらしいのです。
氷は膨張できないと内圧が何百〜何千気圧にも達し、分子がより詰まった構造に相転移します。
「氷II」「氷III」「氷V」など、普段の生活ではまず見られない高密度氷が現れるのです。

もちろん容器が弱ければ破裂。壊れなければ高圧氷のまま存在しますが、常圧に戻すとすぐ崩れてシャーベット状になったりします。「氷に種類がある」こと自体に驚きましたが、その種類が20以上もあると知って、さらに腰を抜かしました。


氷の世界は思った以上に深い

日常の六角形の氷(氷Ih)、立方晶の氷Ic、数百MPaで安定する氷VIや氷VII、さらには超高圧で酸素の格子の中を水素イオンが自由に動き回る“スーパイオニック氷”まで。

2020年には日本の研究チームが「積層不整のない純粋な氷Ic」を初めて合成したそうです。氷という身近な物質が、惑星科学や物性物理学の最先端研究につながっているなんて想像もしていませんでした。

ここまで知識を得てふと考えました。
「氷の種類が20種類あるなんて知らなかった…」

笑われても仕方ありません。でも、今知ることができたのだからむしろ得した気分でもあります。


冷凍の仕方でも氷は変わる

さらに「氷の作り方」にも科学が潜んでいます。

  • 急速冷凍では結晶が細かくなり、食品の細胞を壊しにくい。

  • ゆっくり凍らせると大きな結晶になり、アイスがシャリシャリする。

  • 撹拌しながら凍らせると粒が揃ってなめらかになる――これがアイスクリーム製法の原理。

同じ「氷」でも、作り方で見た目や食感が変わるのです。
以前から、マグロなどの冷凍庫は、マイナス60度以上で急冷すると細胞が壊れにくいことは知っていましたが、氷の世界がこんなに深いとは思いませんでした。


無知は恥ではなく、楽しみの入り口

ジップロックが油を通す。
風船の空気はゴムをすり抜ける。
氷が膨らむのは空気じゃなく結晶の“空席”のせい。
高圧氷は20種類以上もある。

オジサンにして初めて知ることばかりで、正直「今まで何を学んできたんだ」と落ち込みそうにもなります。でもChatGPTに聞いてみると、意外と楽しく学べるし、「自分は無知だった」と笑い飛ばせるようにもなります。

きっとこれからも私は「えっ、そんなことも知らなかったの?」という発見を重ねるでしょう。
けれどもそれは恥ではなく、新しい世界に足を踏み入れる楽しみの入り口なのだと思います。

タイトルとURLをコピーしました