最近、車のニュースを読んでいて目を引いたのが「スプリット・プラン」という仕組みです。
実際にどういう人に向いていて、どんなメリットや落とし穴があるのかは、やや見えにくい部分があります。この記事では、仕組みから具体例、そしてメリット・デメリットまでを整理してみたいと思います。
1. BMWスプリット・プランの仕組み
「スプリット(split)」とは分割という意味ですが、このプランは通常のローンや残価設定ローンと少し違います。特徴的なのは「毎月の支払いが一切ない」という点です。支払いは契約時と満了時(2年または3年後)の2回のみ。つまり、頭金をまとめて入れてしまい、残りを最終回に据え置く仕組みになっています。
種類は大きく分けて2つあります。
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残価保証あり
BMWがあらかじめ「残存価格(据置額)」を保証してくれるプランです。条件を満たせば、契約終了時に車を返却しても清算不要。市場価値が下がっていても、差額を気にせずに次のBMWへスムーズに乗り換えることができます。
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残価保証なし
据置額を自分で設定できる代わりに、保証がないプランです。市場価格が設定した残価を下回った場合、その差額は自己負担になります。逆に市場価格が残価を上回れば有利に働きますが、リスクも背負う必要があります。
つまり「残価保証あり」は安心感、「残価保証なし」は自由度を重視したプランといえます。
2. 具体例で見るスプリット・プラン
たとえば、車両価格が1,000万円のBMWを購入する場合を考えてみます。
ざっくり計算するために登録費用や税金、ローン手数料などは全て抜いて計算します。
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残価保証あり(3年、残価40%)
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契約時に600万円を支払い
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3年後にBMWが保証する残価400万円を支払い(もしくは返却・乗り換え)
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満了時には「返却」「乗り換え」「残価一括払い」「再ローン」の4つの選択肢
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残価保証なし(3年、残価30%を自己設定)
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契約時に700万円を支払い
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3年後に300万円を支払い
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満了時には同様に返却・乗り換え・一括払い・再ローンが可能
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ただし市場価格が300万円を下回った場合、その差額は自己負担
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この2つを比較すると、「残価保証あり」は多少割高に感じても安心して乗換えできるのに対し、「残価保証なし」は博打要素が強く、市場の値動きに左右されやすいことが分かります。
3. メリットとデメリットを整理する
スプリット・プランには、独自のメリットとデメリットがあります。
メリット
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月々の支払いがゼロなので、キャッシュフローに余裕が生まれる
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一括購入に比べると資産管理が柔軟(手元資金を別の運用に回せる)
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「残価保証あり」なら市場変動リスクを気にせず乗換え可能
デメリット
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初期頭金が大きく必要(数百万円単位)
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「残価保証なし」の場合は市場価格下落リスクを背負う
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毎月コツコツ積み立てる感覚で支払うことはできない
特に注意したいのは「残価保証なし」を選んだときのリスクです。BMWは中古市場でも比較的安定したブランドとはいえ、モデルチェンジや人気の変化で価格が落ちることはあります。そのときに「思ったより残価が下がっていた」となれば、追加負担を強いられる可能性があります。
4. まとめ:どんな人に向いているか?
スプリット・プランは、一言でいえば「まとまった資金はあるけれど、毎月の支払いは避けたい人」に向いています。たとえば、資産運用をしていて一度に大きくキャッシュを出せるが、毎月の収支はシンプルにしておきたい人。あるいは法人経営者で資金繰りを工夫したい人にとっては相性が良いでしょう。
逆に、頭金を用意するのが難しい人や、市場価格の変動リスクを背負いたくない人には不向きです。特に残価保証なしを選ぶ場合は、将来の売却相場を冷静に予想できる人でなければ難しいかもしれません。
結局のところ、このプランは「安心を重視するか、柔軟性を重視するか」という選択です。BMWというブランドを安心して乗り継ぎたいなら残価保証あり、リスクを取ってでも自由度を優先したいなら残価保証なし。自分の資金状況とライフスタイルに応じて判断するのが良さそうですね。


