見た目では分からないブロック塀の危険性
普段の生活のなかで、私たちは道端や住宅街でコンクリートブロック塀を目にします。子どもの通学路や散歩道の横にあることも多く、一見すると「頑丈そう」「硬くて安心」と感じるかもしれません。ところが実際には、その塀が安全かどうかを外から判断するのは難しく、場合によっては地震の際に大きな被害を招く危険があります。
ブロック塀の安全性は、中に鉄筋が正しく入っているか、錆びていないか、基礎が十分に施工されているか、控え壁があるか、厚みや高さが基準を満たしているかなど、複数の条件が重なって決まります。
これらは外観からは分からないため、最終的には専門家による調査が不可欠です。自治体によっては「ブロック塀診断」制度を設けており、特に小学校の通学路にある塀は定期的な調査が推奨されています。それでも日常生活の中では、住民自身が「危なそうな塀には近づかない」という心構えを持つことが大切です。そのためにも、外見から分かる危険のサインを知っておくことは有効です。
外観から読み取れる危険な兆候と基準
危険なブロック塀の見分け方として、まず知っておきたいのが建築基準法のルールです。1981年の改正以降、ブロック塀は高さ2.2メートル以下、厚さ12センチ以上(高さによっては15センチ以上)、縦横の鉄筋配置が義務付けられ、さらに3.4メートルごとに控え壁を設けることが定められました。
しかし実際の現場では、この基準を守っていない塀も少なくありません。解体してみると「縦の鉄筋しかない」「横の鉄筋が省略されている」といった事例が数多く報告されています。さらに古い塀の中には3メートル近い高さのものも存在し、現行基準からすれば違法に近い危険な状態です。
高さに比べて厚みが不足している、控え壁がない、ひび割れや傾きがあるといった兆候は、素人でも危険だと判断できるサインです。たとえ1.6メートルほどの高さでも、地震の揺れで一気に横倒しになることがあります。しかも倒れるときは塀全体が一度に崩れるため、被害が大きくなりやすいのです。見た目が新しくても中の鉄筋が錆びていたり、基礎が浅かったりすれば危険度は高まります。「頑丈そうに見えるから安心」という思い込みは禁物です。
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申請は随時受け付け中!電子申請も可能です#江戸川区 #防災の日https://t.co/TgxInPUVyC pic.twitter.com/QVMICDeMHZ— 東京都江戸川区 (@edogawa_city) September 1, 2025
※市町村によっては解体の補助金を出すところも。
安全な高さの目安と避難時の注意
ではどの程度の高さであれば比較的安全といえるのでしょうか。目安としては1.2メートル前後のブロック塀です。この程度なら控え壁がなくても倒れにくいとされ、子どもの背丈と同じくらいを想像すると分かりやすいでしょう。それ以上になると控え壁や鉄筋、基礎の施工が適切でなければ危険が増し、2メートルを超える塀は特に倒壊リスクが高まります。

地震の際、「硬いもののそばに寄った方が安全」と考えてブロック塀の横に避難する人もいますが、これはむしろ危険です。特に老朽化した塀は揺れで一気に崩れ、人を巻き込む恐れがあります。避難時はできるだけ道路の中央や広い空き地など、開けた場所に移動するのが望ましいのです。都市部ではすぐに広場へ移動できないことも多いため、最低限「ブロック塀のそばからは離れる」ことを意識してください。
普段は存在を意識しないブロック塀ですが、災害時には命を守るか脅かすかの分かれ目になります。この機会に、自宅周辺や通学路、通勤路にある塀の高さや状態を見直してみるのも良いでしょう。「見た目が丈夫だから大丈夫」と思い込まず、最新の基準を満たした塀以外には近づかないこと。これが日常生活でできる、最も現実的で効果的な防災対策のひとつです。



