さて今回は、日本の若い女性たち、特に10代から20代前半くらいの世代で見かけるようになった、ちょっと特徴的なメイクについてのお話です。
街を歩いていても、SNSを見ていても、「あれ?なんだか目元の印象がすごく独特だな」と感じることはありませんか?
私自身は30代半ばの男性で、正直に言ってメイクやコスメにはまったく詳しくありません。ですが、最近見かけるこの目元のスタイルには、なんともいえない独特の存在感があり、気になって調べてみたところ、どうやら「地雷盛りライン」という名前で呼ばれているようなのです。
地雷系メイクとは?
まずは、この「地雷盛りライン」が含まれる「地雷系メイク」について簡単に整理しておきましょう。
地雷系メイクは、2020年代に入ってから若い女性の間で定着してきたメイクスタイルです。一般的な「量産型メイク」(いわゆるアイドル風・ふわふわ可愛い系)とは異なり、地雷系は儚げ・病みかわいい・感情的な美しさを強調するのが特徴です。
目元はやや垂れ目気味に描かれ、涙袋を強く強調し、赤やピンクのシャドウを目の下に重ねることで“泣きはらしたような”印象を作ります。さらに白い肌、マットな質感、血色控えめのリップなど、全体的に少しアンニュイで感傷的な雰囲気を醸し出すのが特徴です。
このスタイルはSNSやファッション誌などで「地雷系」「病みかわ」などと呼ばれ、Z世代の間で一つのカルチャーとして定着していきました。
アイメイクの歴史
①初期。地雷盛りラインとアイラインが離れている
②地雷盛りラインとアイラインがつながる。
③〝 が完全に一本の線になる。下まつげを書き始める
④アイラインの終わりが目から離れる。#地雷系さんと繋がりたい #コンカフェ嬢 pic.twitter.com/F639HDtRox— ♡ひめ♡10/31卒業 (@anpr_himechan) October 16, 2025
地雷盛りラインとは?──目の下に描かれる“補助線”のようなライン
そして、その地雷系メイクの中でも近年特に注目を集めているのが「地雷盛りライン」です。
これは、目の下の部分にまっすぐ横方向の線を入れるメイクで、まるで「補助線」や「アニメの目の下の影」のように見えるのが特徴です。
一般的なアイラインは上まぶたのキワや目尻に引くものですが、地雷盛りラインは下まぶたの外側に描かれるという点で異なります。
目の下の黒目の位置から目尻にかけて、ほぼ水平に線を描き、さらに上側(涙袋のあたり)に淡いピンクやブラウンの影を足すことで、目の縦幅・横幅の両方を拡張したように見せる効果があります。
一見すると、まるで歌舞伎役者の隈取のように見えることもあり、初めて見る人には「ちょっと強めの印象」を与えます。
しかしそれが逆に、現代的な“盛れ方”として人気を集めているようです。
「アニメライン」とも呼ばれる理由
この「地雷盛りライン」は、別名「アニメライン」とも呼ばれることがあります。
理由は単純で、アニメキャラクターの目に似ているからです。
アニメのキャラは、目の下にしっかりと線や影が描かれていることが多く、それによって目の形が強調され、感情表現が豊かになります。
それを現実のメイクで再現しようとした結果、生まれたのがこの「地雷盛りライン」なのです。
地雷系女子たちはSNS上で「#アニメライン」「#地雷盛りライン」といったタグを使い、自分のメイクを共有しています。
実際に見てみると、涙袋の下に細く影を入れたり、まるで漫画の描線のように明確なラインを描いたりと、まさにアニメ的なデフォルメ感を再現しているのが印象的です。
#コンカフェ嬢 #秋葉原コンカフェ #いいね返し
@gozimesi_akb pic.twitter.com/isBFEPiXSt— しうてん (@siu_gozimessi) October 15, 2025
いつから流行しているのか?──SNSの記録をたどってみる
さて、この「地雷盛りライン」や「アニメライン」はいつ頃から流行しはじめたのでしょうか?検索してみても、明確な発祥地や“考案者”が出てこないのが不思議です。
Twitter(現X)で過去の投稿をたどってみると、最初期に「地雷盛りライン」という言葉を使用している投稿は2023年12月末ごろに確認されました。
元の目が1枚目みたいな幅細め、吊り目だけどまつ毛は垂れ目?+面長求心顔なので
アイライナー(赤)をあまり弾きすぎず横へ締め色で伸ばす!
目の下は、地雷盛りラインみたいな感じでアイラインと同じ工程で作る!
涙袋は黒目下から、地雷盛りラインに沿って描く!
それでもへんな感じがする時は、 pic.twitter.com/LgMUefBHwb— ゆうな (@yuunahann_me) December 29, 2023
つまり、今のような強い線を入れるスタイルが認知され始めたのはここ1~2年以内のことといえそうです。
ただ、もう少し遡ると、2020年前後の「地雷メイク」自体の投稿の中に「下まぶたを強調する」「目尻を外へ延ばす」などの説明が見られます。
ですから、2020年ごろの地雷メイクの延長線上に、この“地雷盛りライン”が生まれたと考えるのが自然でしょう。
いい感じの語呂
韓国系のメイクも地雷盛りライン多いし盛れる pic.twitter.com/UwR8GY0n3s— xomaodf (@anomnp) June 4, 2020
また、2020年6月ごろの投稿の中には「韓国系メイクにも地雷盛りラインが多い」「漏れる(盛れる)」という言葉も見られます。
ただし当時の画像を見る限り、現在のように明確な“線”ではなく、影やグラデーションで目の下をぼかすスタイルでした。
https://t.co/0IMwkh2YL0
私これでみた
地雷盛りラインが衝撃的すぎて叫んだ— Miranda Otsujiユメカナエフェスありがとうございました! (@mirandaotsuji) June 19, 2020
ですので、2023年ごろに「線として描く」進化系が登場し、現在の形に定着したといえそうです。
歌舞伎町・新宿のイメージと重なる理由
「このメイク、なんとなく歌舞伎町っぽいな」と感じた人も多いと思います。
実際、地雷系や量産型ファッションが流行しはじめた初期、トー横文化や夜職メイクなどと結びつけて語られることが多かったため、自然と“歌舞伎町発”というイメージが広まったようです。
ただ、現実的には「特定の地域で発祥した」というより、SNSで全国的に同時多発的に広まった現象だと考えられます。
特にTikTokやInstagramのショート動画で、「地雷盛りラインの描き方」と題したメイクチュートリアルが2023年末から急増しており、Lemon8やLIPSなどのコスメ系アプリでもタグが定着しています。
つまり、「歌舞伎町らしい」「夜っぽい」と感じるのは、そのメイクの強さ・印象の濃さ・陰影の演出からくる連想であり、実際には一般の若年層の間で浸透している全国的トレンドなのです。
歌舞伎からアニメへ、そして自己表現へ
この「地雷盛りライン」は、一見ただの“若者の流行メイク”に見えますが、その根底には、現代の日本文化が持つ「内面の可視化」と「表現の自由」の象徴があるように感じます。
歌舞伎の隈取が役の感情を象徴するように、アニメの描線がキャラの感情を伝えるように、いまの若い世代は自分の心の輪郭を、アイラインで描いているのかもしれません。
以上、今回は私のようなメイク初心者の視点から、最近話題の「地雷盛りライン」について調べてみました。
専門的な部分で間違っている可能性もありますが、少しでもこの独特なカルチャーの背景が伝われば幸いです。
また詳しい方がいらっしゃれば、ぜひ追加で教えていただけたらと思います。


