ここ数カ月、イランの抗議デモについてのニュースが増えています。
私自身あまり詳しくなかったので、この背景について調べて簡単にまとめてみました。
長年積み重なった不満
1つ目は、イランでは形式上は選挙がありますが、実際には宗教指導者を頂点とする体制が国の重要な決定権を握っています。そのため、多くの国民は「投票しても何も変わらない」と感じながら生活してきました。
さらに、経済制裁や汚職の影響で物価は上がり、若者の失業率も高く、将来に希望を持てない人が増えています。女性や若者に対する服装規制や行動の制限も強く、日常生活の自由が奪われているという不満が長年蓄積してきました。
ある事件が全国的な怒りに
こうした状況の中で、ヒジャブ(イスラム教の女性用スカーフ)の着用が不適切だとして道徳警察に拘束された若い女性が死亡した事件が起きました。
この事件は国内で大きな衝撃を与え、最初は個別の出来事への抗議として始まりました。
しかし、経済的困窮や日常生活への抑圧が長年にわたって積み重なっていたこともあり、多くの人々が「単一の事件ではなく、この体制そのものが根本的に問題だ」という意識に変わっていきました。
抗議の声は国内の大都市から地方都市へと瞬く間に広がることに。
SNSなどを通じて、抗議の現場からの映像や逮捕・暴力の様子、犠牲者の情報がスマートフォンで撮影され、リアルタイムで国内外に広く共有されたことで、人々の関心が急速に高まりました。
こうした情報の拡散によって、抗議運動は都市だけでなく地方にも波及し、全国規模の大規模なデモにつながっています。
弾圧がさらにデモを激化させる
政府は抗議を体制への脅威とみなし、軍や治安部隊を動員して暴力的な取り締まりを行っています。そうした結果、デモ参加者と治安側の双方に多数の死者が出ており、当局者は約2000人に達したと認めています。
インターネットによって弾圧の様子が国内外に伝わるため、政府が力で押さえ込むほど反発が強まる構造になっています。
なぜイランで抗議デモが激化し、死者が急増しているのか
このように、長年積み重なってきた不満が、ここに来て一気に爆発したような形になっています。日本の報道では断片的にしか伝えられていませんが、イランでは宗教指導者を頂点とする国家のあり方が、若者の目には独裁的な体制のように映ってきた側面もあります。
特に女性や若者に対する行動や服装の制限が多く、イスラム教の影響が強い社会であるため、アメリカなどのより自由な国と比較して「自分たちは強く制限されている」と感じる人が、SNSを通じて増えていったのかもしれません。
こうした問題が深刻化すると、イランに限らず、中国などの強権的な体制を持つ国でも、言論の自由や個人の権利を求める動きが強まる可能性があります。SNSには負の側面もありますが、一方で誰もが情報を得て、自分の考えを発信できるという点は、民主主義を支える重要な基盤でもあります。今回のニュースを見て、その意味をあらためて考えさせられました。



