インカム投資の中でも、オプションプレミアムを分配原資として還元するETFは、株式配当中心のファンドとはまったく異なる動きを見せます。その代表例として人気を集めているのが、JPMorganが運用するJEPQ(JPMorgan Nasdaq Equity Premium Income ETF)です。
この記事では、2025年12月の配当実績をもとに、1口あたりの配当金、円換算後の金額、税引き後の手取り、さらに分配金が高くなった背景までを整理します。保有口数は非公開とし、あくまでシミュレーションベースで紹介します。
12月の分配金と円換算
2025年12月のJEPQの分配金は、1口あたり0.55323ドル(税引き前)でした。
米国市場のテック銘柄を中心に構成されるNASDAQ100をベースにしながら、カバードコール戦略を用いてプレミアム収入を積み上げているETFであり、この「オプションプレミアム収入」が毎月の分配原資の中心を担っています。
為替を1ドル=155円と仮定して円換算すると、以下のようになります。
0.55323 × 155 = 85.75円
つまり、1口あたりの税引き前配当は約85.75円という計算になります。
配当にかかる税金と実際の手取り
日本の証券口座でJEPQを保有している場合、配当には二重課税が発生します。
まず米国で10%の源泉徴収が行われ、その後、日本でも20.315%(所得税・住民税・復興特別所得税)が課税されます。
順を追って計算すると以下の通りです。
米国課税後
0.55323 × 0.90 = 0.497907ドル
日本課税後
0.497907 × 0.79685 = 0.396725ドル
円換算(1ドル=155円)
0.396725 × 155 = 61.49円
したがって、1口あたりの実際の手取りは約61.49円となります。
(確定申告で外国税額控除を行わない場合の概算です)
保有数別の配当シミュレーション
1口あたりの手取り配当をもとに、保有口数ごとの配当額を試算してみます。
| 保有口数 | 税引き前 | 税引き後(手取り) |
|---|---|---|
| 1口 | 約85.75円 | 約61.49円 |
| 100口 | 約8,575円 | 約6,149円 |
| 1,000口 | 約85,750円 | 約61,490円 |
| 10,000口 | 約857,500円 | 約614,900円 |
このように、税金によって約3割が差し引かれる構造となっています。
配当を再投資する場合や生活のインカムとして受け取る場合でも、手取りベースで考えるのが現実的です。
なぜ12月の分配金が高かったのか
JEPQの分配金は、株式配当ではなくオプションプレミアム(カバードコールによる収入)が主な原資です。そのため、株式市場のボラティリティが高い月ほど分配金が増える傾向があります。
2025年の秋以降は、米国の金利政策に対する思惑、テック株の決算シーズン、為替変動の激化など、相場全体の値動きが大きい局面が続きました。
その結果、オプションプレミアムが高騰し、カバードコール戦略を採用するJEPQの収益源が一時的に増加しました。
その影響が翌月の12月分配金に反映されたと考えられます。
年間でならすとどれくらいになるか
JEPQの分配金は月によって増減があり、安定して同じ金額を受け取れるタイプのETFではありません。しかし年間で平均すると、1口あたりの月間受取額はおおむね53円前後に落ち着く傾向があります。
実際、円建てとドル建ての両方を集計して通年で平均を取ると、2025年の年間アベレージは約53円/口という結果でした。
つまり、今月のように一時的に61円前後の高配当になることもあれば、相場が落ち着く月には50円を下回ることもある、というバランス型の分配パターンになっています。
まとめ
2025年12月のJEPQの配当は、1口あたり0.55323ドル、円換算で約85.75円(税引き前)、税引き後で約61.49円でした。
12月の分配が高めになった背景には、秋以降の相場ボラティリティ上昇によるオプションプレミアムの増加が影響しています。
短期的な分配額の増減に一喜一憂するよりも、年間の平均値である1口あたり53円前後を目安に「月次インカムの安定性」を見ていくことが、JEPQを長期保有する上での現実的な視点です。
JEPQは市場の変動をうまく収益に変える特徴を持つETFであり、「ボラティリティがリスクであると同時に収入源でもある」ことを理解しながら運用していくと、より納得感のある投資ができるでしょう。


