休日の朝、コーヒーを淹れながらふと考える。「BMWって色々あるけど、一番速いのはどのモデルなんだろう?」――BMW好きなら誰しも一度は抱く疑問ではないでしょうか。
ネットで検索しても「最高速度は300km/h」「〜と言われている」といった断片的な情報ばかりで、実際に体験した人の声は意外と少ないものです。そこでここでは、筆者がこれまで所有してきたBMWやサーキットでの試乗経験をもとに、“BMWの速さ”について改めて整理してみたいと思います。
富士スピードウェイで乗ったBMW
M6(F12) , M6(F13) , M4(F82) , M135(F20)
所有している、所有していたBMW
M5(E60) , 640i(F13) , 335i(E92) , 320i(E92)
サーキット最速はM6
結論から言えば、富士スピードウェイにおいて最速は間違いなくF13型のM6クーペでした。
0-100km/h加速4.2秒というスペックも驚異的ですが、M6の真価はむしろ中高速域にあります。180km/hを超えてからの加速力がM4よりも明らかに強烈で、ホームストレートではあっという間に270km/hに到達。250〜300km/hという速度レンジではM6に敵うモデルは見当たりません。
ただし、もし計測を180km/hまでの区間に限定するなら順位は変わってきます。低速コーナーではM4の方が切り込みが鋭く、区間タイムはM6を上回るシーンもあります。さらに100km/h前後ではM135iも健闘し、コンパクトなボディを活かして軽快に走ります。
最新M2のポテンシャル
筆者はまだ試乗していませんが、最新型のM2は先代M3(E92)をニュルブルクリンクのラップタイムで上回るといわれています。コースによってはM6、M4、M2が拮抗する可能性があり、「一番速いBMW」は走る舞台によって変わるとも言えるでしょう。
E60 M5の魅力と限界
E60型M5はV10・5リッターという大型NAエンジンを搭載し、F1を思わせるような高回転フィーリングを味わえる名車です。しかし自然吸気ゆえに低速トルクは細く、ターボ化された現行Mモデルに比べると低速コーナーでは不利です。高回転域での咆哮と伸びは圧巻ですが、サーキットでのラップタイムという意味ではM4やM2に及ばないでしょう。
クーペとカブリオレの差
同じM6でも、クーペとカブリオレには差があります。両方試しましたが、やはりクーペの方が剛性が高く、足回りの落ち着きも上。カブリオレは僅かに剛性が低いため、路面のギャップで足が暴れる印象を受けました。
予想ですが富士スピードウェイでは下のような順位になると思います。
速い ← M6 > M4 > M2 > M5(E60) > M135i > 335i ≒ 640i > 328i > 323i > 120i > 320i > 116i → 遅い
E92 335iとF13 640iは馬力こそ異なりますが、実際の運動性能はほぼ同等。640iはトルク型、335iは高回転の吹け上がり型でキャラクターが異なります。いずれもミシュラン・パイロット スーパー スポーツを履いていましたが、Mモデルと比べると車重の影響が色濃く出ます。
ノーマルBMWとMモデルの差
Mモデルではない通常のBMWをサーキットに持ち込むと、その差は歴然です。ストレートでの速度は速いものの、コーナー進入やS字、複合コーナーでは車重がじわじわ効いてタイヤに負担がかかり、国産の改造スポーツカーに抜かれてしまうこともあります。軽量化やセッティングを工夫すれば対抗できる余地はありますが、本気でサーキットを楽しむならやはりMモデルを選ぶのが正解です。
結論
BMWで「一番速い」と言えるモデルは、条件によって変わります。
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最高速レンジ(250〜300km/h)ならM6
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サーキットでの総合力ならM4
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軽快さと新世代のバランスならM2
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官能的な高回転NAを味わいたいならM5(E60)
いずれにせよ、BMWのMモデルを選べば間違いなく「お澄まし顔のポルシェ」や「黒いAMG」にも引けを取らない速さを体感できます。
――休日のコーヒータイムに思いを巡らせるよりも、一度ステアリングを握ってその世界を体験するのが一番の答えなのかもしれません。




