なぜ一流ホテルはいつも“いい香り”?その秘密と家庭で再現する方法

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この写真を見ていると、なぜか80年代から90年代の古き良き雰囲気が漂ってきて、懐かしい気持ちになります。

カルティエの「マスト」ラインは、誰もがカルティエを持てるようにと設けられた廉価ラインで、一度は廃止されましたが、最近になって復活しました。

当時は写真のように比較的カジュアルで、正規店でも1本10万円台から購入できる価格帯でしたが、デザイン性には非常に優れていました。見た目はゴールドのようでも、実際には金メッキで、カルティエの場合はシルバー925のケースにヴェルメイユ(金張り)加工が施されています。

発売から半世紀近くが経ち、さすがにメッキが剥がれてきている個体も見かけますが、丁寧に掃除され、オリジナルのメッキが美しく残っているものに出会うこともあります。そうした点からも、カルティエのメッキ技術には、やはりフランスの時計メーカー、美術工芸ブランドとしての誇りと技術力を感じさせられます。

時計マニアからはあまり評価されていないのも事実ですが、私はこの振り切ったデザインとケースの装飾にこだわった時代の時計は悪くないなと思っています。

まったく本文に関係ないですが美しい時計はいいですね。

なぜ一流ホテルはいつも“いい香り”?

さて、よく超高級ホテルや銀座シックスのような高級商業施設に行くと、ふとした瞬間に良い香りが漂ってくる場所に出会います。たとえばエントランスや通路の一角など、誰もが通る場所でふわっと心地よい香りを感じる体験。これは偶然ではなく、訪れた人々に五感を通じて上質な体験を届けるために設計された「香りの演出」なのです。実はこの演出には、想像以上の手間とコストがかかっています。

では、ホテルや高級デパートのような空間では、なぜあれほどまでに「常に安定した良い香り」が保たれているのでしょうか。家庭で同じようにルームフレグランスを置いて再現しようとしても、なかなかうまくいかない──それには明確な理由があるのです。

家庭用リードディフューザーの限界とムラの原因

家庭用で最も一般的なルームフレグランスといえば、リードディフューザーです。香料の入ったガラスボトルに、数本のスティックを差し込んで香りを拡散させるシンプルな構造。香料そのものは優れている製品も多く、香り自体は素晴らしいのに、「香りが強すぎるとき」と「ほとんど香らないとき」がある……そんなムラを感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

このムラが生じる原因は大きく3つあります:

1. 気温・湿度の影響

気温が高い昼間などは香料が急激に揮発して、部屋に入るとムワッとした香りに包まれます。一方で、冬や冷房で気温・湿度が下がると、まったく香りがしないように感じられることもあります。

2. リードスティックの吸い上げムラ

素材や本数によって香りの広がり方に差が出ます。高密度のスティックを多く差せば強く香りますが、揮発も早くなり、持続時間が短くなります。逆に少なすぎると香りが拡がりません。

3. 空気の流れの不安定さ

玄関やリビングなど、空調や通気の影響を受ける場所では、香りの拡散が一定せず、偏りが生じやすいのです。

高級ホテルや商業施設の香りの演出技術

では、なぜ高級ホテルや百貨店では、あれほどまでに安定した香りの演出が可能なのでしょうか? その答えは、まったく異なる技術・機器が使われているからです。

超微粒子ミスト(ネブライザー式/コールドエアーディフュージョン)

業務用の香り拡散に使われる主流の方式は、ネブライザーまたはコールドエアーディフューザーと呼ばれる「超微粒子ミスト方式」です。加熱せずに、エッセンシャルオイルや香料をナノレベルの微粒子にして空気中に噴霧する技術で、加湿器に似た構造を持ちつつ、精密に香りの濃度を調整できます。

これにより、香料が部屋の空気に均一に拡散し、気温や湿度に左右されにくく、常に安定した香りを保つことができるのです。さらに空調システム(HVAC)に連動させて建物全体に香りを流すことも可能で、どの時間帯に訪れても同じ香り体験が保証される仕組みとなっています。

業務用ディフューザーのコストと導入事例

こうした業務用ディフューザーは、ボトル1本(約1ヶ月分)で1万円〜5万円、本体は小型モデルでも数万円〜、大型施設向けでは10万円以上する場合もあります。運用コストも含めれば、月間で数十万円の予算が組まれていることも珍しくありません。

実際に使われている例としては:

  • ScentAir(セントエアー):高級ホテルチェーンで多数導入。
  • AromaTech:Air Stream Duoなど家庭〜業務用で人気。
  • プロフレグランス社(日本):AirQ270など。医療機関や美容施設にも導入。

出典元:https://www.cse-web.co.jp/lp002/

高級家庭用フレグランスとの違い

家庭用でも、ジョー マローン、イソップ、SHIRO、メゾン マルジェラなどの高価格帯ブランド(1万〜3万円)がありますが、これらは香料の質が非常に高く、香り自体はラグジュアリーそのものです。

しかし、やはりリードディフューザー形式である以上、…

  • 気温の影響でムラが出る
  • 揮発が早く、持続時間が短い
  • 香りが強すぎて体調に影響が出る場合も

といった課題があります。

解決策:家庭でも安定した香りを楽しむには?

小型ネブライザー式ディフューザーの活用

最近では、サロンや個人事業主向けの家庭用ネブライザー式ディフューザーも増えており、

  • 1〜2万円で購入可能
  • 専用オイルで1ヶ月以上持続
  • 香りの強さをタイマーで調整可能

といった特徴があり、玄関やリビングなど香りを安定して保ちたい空間にぴったりです。

https://www.amazon.co.jp/

リードディフューザーを上手に使う工夫

それでもリードディフューザーを使いたい場合は、以下の工夫でムラを軽減できます:

  • スティックの本数を減らす(最初は2〜3本)
  • 揮発しにくくするため、ボトル口をラップなどで部分的に覆う
  • エアコンの風が直接当たらない場所に設置する

雑貨屋の5,000円前後商品に注意

中価格帯の商品でも、「最初の数日だけすごく良い香りがするが、1週間で香らなくなる」ものがあります。これは香料が揮発しやすい組成になっているためです。

この場合は、業務用芳香剤メーカーのサブブランド製品などを選ぶのも手。例えばエステや病院などで使われているような商品は、安定性・持続性が高く、コストパフォーマンスにも優れています。


まとめ

ルームフレグランスは「香り」そのものだけでなく、拡散方式・設置環境・使用方法によって体験が大きく左右されます。

香りを贅沢に楽しむなら、香料だけでなく「どう香らせるか」にも目を向けることが大切です。予算や空間の用途に応じて、ネブライザー式や高級リードディフューザーを上手に選び分けることで、ホテルのような心地よい空間を自宅でも再現することができるでしょう。

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