BMWは何故あおり運転をするのか?

クルマ
この角度もカッコいい
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本ウェブマガジンではこれまで長年にわたり、BMWの魅力を伝える記事を発信してきました。私自身もBMW歴7年となり、Mモデルを含むほぼ全ラインナップを実際に運転した経験があります。

最近ニュースで取り上げられる「煽り運転」ですが、ひとくくりにされがちで、実際の実態とは異なる印象を受けました。

そこで今回は、煽り運転にはどのような種類があるのか、そしてなぜBMWが“煽っているように見える”のかについて考察してみたいと思います。

1.ストレス発散の為に他人を危険に陥れる危険運転

まずはニュースでよく話題になるような、他車の前に割り込んで停車させ、ドライバーに暴行を加えるといった、極めて悪質なケースです。

これはもはや単なる交通マナーの問題ではなく、明確な暴力行為であり、危険運転として逮捕されるべき行為です。

そこまで極端でなくても、特定の車をターゲットにして執拗にパッシングを繰り返す、幅寄せをする、急ブレーキで威嚇するといった行為も含まれます。

中には、前方に割り込んだうえで急停止し、意図的に追突させようとするような、極めて悪質で悪意ある運転も存在します。

こうした煽り運転は、車種には関係ありません。ベンツに乗っていようが、アウディに乗っていようが同じです。問題なのは車の性能ではなく、運転者の人間性です。

ちなみに私自身、青森から鹿児島までを含めて約20万kmを走行してきましたが、こうした光景を実際に目撃したことはほとんどありません。

タイミングの問題もあるとは思いますが、ごく少数の例外的な行為といえるでしょう。

とはいえ、だからこそ一度でも遭遇すれば衝撃が大きく、社会問題化するのも当然です。

2.進行を邪魔されたことに腹を立てて、怒っていることをアピールする運転

こちらは比較的よく見かけるタイプの煽り運転です。

たとえば、高速道路の右車線(追い越し車線)を、左車線の車と同じ速度で延々と走行したり、急に割り込んできてゆっくり走るなど、明らかに進行を妨げるような運転に対して腹を立てるケースです。

私も実際に経験があります。

ある日、空いている東名高速道路を走っていたところ、旧型のデリカが右車線を走行しており、左車線の車と全く同じ速度で並走していました。通常であれば10〜20秒程度で追い越して左車線に戻るはずですが、デリカの運転手は左車の速度にぴったり合わせ、2分以上も並走し続けたのです。

私は思わずパッシングしましたが、それが逆効果だったようで、以後しばらくその車の後ろを走らされることになりました。

ここまで極端な例は少ないにせよ、他車の些細な行為に腹を立ててパッシングや幅寄せをするドライバーは一定数存在します。

3.単に速く走っている人

意図的ではなく、周囲の車と速度感が合わないために「煽り」と誤解されてしまうケースもあります。

これこそが、BMWが“煽っている”という印象を持たれやすい最大の原因です。

自動車教習所で学んだ「停止距離=空走距離+制動距離」という式をご存じかと思いますが、BMWはブレーキ性能が非常に高く、制動距離が短いのが特長です。

また、アウトバーンを想定して設計されているため、150〜180km/hで3時間走っても疲れない高速安定性があります。振動も少なく、ハンドリングもシャープで危険回避性能も高いため、ドライバーが気づかないうちに自然とスピードが上がってしまうのです。

たとえば、BMWの高性能モデルであれば最高速度は280km/h以上にも達し、120〜130km/h程度の巡航はアクセルに足を軽く乗せるだけで維持できます。

一方、軽自動車で時速120kmを出すにはアクセル全開、エンジン音も大きく、振動も激しいという状況です。

このパフォーマンスの差が、“煽り運転”のように見えてしまう状況を助長しているのです。

4.無意識のうちに車間が詰まる運転

これは、長い下り坂でよく起こる現象です。一見すると煽り運転のように見えるかもしれませんが、実際には車の性能差が原因です。

たとえば、長い下り坂で前を軽自動車が走っている場合、BMWの多くの車種では、アクセルをオフにした状態でも傾斜によって80〜100km/h程度まで自然に速度が上がることがあります。しかし、軽自動車ではそうはいかず、同じようにアクセルオフでも70km/h程度にとどまることが多いようです。

その結果、どちらの車もアクセルペダルを離して走行しているにもかかわらず、BMWの車がどんどん軽自動車に接近していき、周囲から見るとまるで煽っているかのように見えるのです。

私自身の例では、相手に悪意がないとわかっているため、ギアを落としてエンジンブレーキで減速したり、フットブレーキを軽く踏みながら速度を調整しています。しかし正直なところ、気分の良いものではありません。こちらとしても、長い下り坂はアクセルオフでスムーズに走りたいものです。

このようなケースでは、法定速度内であれば、どちらか一方が悪いとは言えない状況です。

あくまで車両性能の違いによる、誤解されがちな車間の詰まりであり、煽り運転とは性質が異なります。

本人に原因のある、自己中心的な運転手も存在する

煽り運転というと「追い越し車線で異常接近するBMW」などが象徴的に語られますが、一方で“煽られている側”にも原因があるケースが存在します。

そうした一例が、自己中心的な運転です。

たとえば10年ほど前、空いている高速道路を3車線の一番左車線でゆっくり走行していたときのこと。

前方の車が突然、何の理由もなくウォッシャー液を数秒間噴射し、その汚れた水がこちらのフロントガラスに飛んできました。

その日は快晴、車間距離も十分取っており、こちらには落ち度がない状況です。せっかく磨いたフロントガラスが台無しになり、私も思わず腹を立てて、追い越した後に同じようにウォッシャー液でガラスを洗浄し返したのですが、相手は逆上して執拗にパッシングや煽り運転をしてくるようになりました。

なぜ走行中に、しかも後続車がいるのにわざわざウォッシャー液を噴射するのか――理解に苦しみますが、こうした配慮に欠けた自己中心的な運転手は確実に存在します。


近年では、私自身運転中に感情的になることはほとんどありませんが、それでも日々の運転の中で次のような理不尽な光景によく出くわします。

たとえば、ノロノロと流れを乱す運転をしていたかと思えば、赤信号では急に加速して自分だけ交差点をすり抜けるといった、場当たり的で一貫性のない運転。

昔は、「自分も急いでいるし、他人も急いでいる」──そんな相互理解に基づいた運転マナーがあったように思います。

「最初から最後までマイペース」ならそれでも構いません。

しかし今は、まるで**他者への配慮を一切持たない“自分ファースト運転”**が目立つようになりました。

特に気になるのは、後方に「ドライブレコーダー録画中」などのステッカーを貼っている車両に限って、“自分は常に正義”であるかのような振る舞いを見せるケースが散見されることです。

たとえば必要以上に低速で走り、周囲の流れを乱す。違反ではないものの、交通全体にとっての妨げとなっていることに無自覚な運転手が少なくありません。


法令遵守=絶対正義、ではないと実感した体験

一度だけ、疲れていた帰路で、名古屋から静岡までの高速道路をオートクルーズで時速70kmに設定して走ったことがあります。

走行車線を守り、制限速度内で安全運転。しかも前方衝突のリスクも少なく、非常に楽なドライブでした。

ところが、現実は違いました。

後方からは大型トラック、観光バス、一般車までが私を次々と追い越していき、走行車線に渋滞が発生

私の運転は“安全運転”ではあったものの、全体の流れを著しく乱し、周囲に不快感を与える行為でもあったのです。

このとき強く実感しました。

「法令を守っていればすべて正しい」という考え方は、現実の交通環境においては通用しないこともあるのだと。


BMWオーナーへの提言

BMWのように高性能な車に乗る人ほど、その性能の高さを自覚し、周囲の車両に過度なプレッシャーを与えないよう配慮する姿勢が求められます

たとえ煽っているつもりがなくても、車間が詰まれば**「煽られている」と誤解される可能性**があります。

自車の性能に酔うのではなく、交通の中で「流れと調和すること」を意識して走行する──それが、BMWをスマートに乗りこなす第一歩ではないでしょうか。

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