【レビュー】ZEETEX HP5000 MaxをBMW M3（F80）で試してみた感想

クルマ

2025.10.29

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私のF80 BMW M3には、中古で購入した際からZEETEX HP5000 Maxという少し珍しいタイヤが装着されていました。

本来この車にはミシュラン・パイロットスーパースポーツ（PSS）が純正装着されていますが、購入時にはすでに溝が少なく、車検を通すための“暫定的なタイヤ”としてこのZEETEXが付けられていたようです。

整備料金に含まれていたのか、サービスで装着されたのかは分かりませんが、せっかくなのでこのタイヤを一定期間使ってみた感想をまとめてみます。

ブランドと位置づけ

ZEETEX（ジーテックス）は、ドバイを拠点とする中東ブランドで、製造は東南アジア（タイ・インドネシアなど）。

価格帯としては韓国メーカー（クムホ・ハンコックなど）よりやや下、いわゆるアジアンタイヤの中でも中堅クラスの位置づけです。

公式サイトなどでは「スポーツ走行にも対応する高グリップ・オールシーズンタイヤ」と紹介されています。

出典元:https://www.autoway.jp/brand/zeetex/lineup_hp5000_max

完全なドライコンディションでのグリップは意外と悪くありません。
峠のような切り返しの多い道でも、ハンドルを切った際にそれなりにしっかりと車がついてきます。

ただし、ミシュランやブリヂストンの上位タイヤのような“ビタッと吸い付く感覚”はなく、わずかに一呼吸遅れて反応するような印象です。

挙動は比較的ニュートラルで、急に滑るような怖さは感じません。
軽いスポーツ走行なら問題なくこなせるレベルです。

静粛性や乗り心地も平均点以上。

やや硬めではありますが、路面のゴツゴツ感を極端に拾うことはなく、日常走行では十分快適に使えます。「安物タイヤ＝うるさい・乗り心地が悪い」という印象はあまり感じませんでした。

はっきりいってミシュランのパイロットスポーツより乗り心地は良いです！
都内をゆっくり走るのであれば十分すぎるパフォーマンスです。

高速道路では時速100km前後までは安定しています。

ただし、120kmを超えてくると「この先どうなるか分からない」という不安を感じるレベルで、正直、M3のようなハイパワー車にこのタイヤを履かせたまま高速走行を続けるのは怖いと感じました。

トレッド剛性やサイドウォールの硬さが、ハイパフォーマンス車向けとは言い難いです。

M3のように1,500kg超・400馬力級のFR車では、トラクションをかけた際にやはりグリップの限界を早めに感じます。

トラクションコントロールをONにしていても、「もう少しタイヤが頑張ってほしい」という印象です。

もし本格的にM3を楽しむのであれば、最低でもポテンザRE-71RS、ネオバAD09、またはミシュランPilot Sport 5／Super Sportあたりを選ぶのが妥当だと思います。

このタイヤの最大の魅力は価格です。

TIRE SIZE LINEUP（ZEETEX HP5000 Max）一部抜粋

1本あたり10,000～15,000円前後で購入でき、M3サイズ（18〜19インチ）でも4本揃えて6〜7万円でお釣りがくるレベル。
ミシュランやブリヂストンの上位モデルが1本5万円近いことを考えると、コストは3分の1以下。

“車検を通すための一時的な選択”や“サーキットを走らない街乗り用”としては悪くない選択肢です。